昨日の高森町公民館は、岡田・民主党副代表の来訪に沸きました。
満席に詰め掛けた聴衆の期待を上回る岡田ビジョンが示されました。
岡田氏の講演の主点は三つ。
-税金の使い方は国会が決める
--官僚任せの今の政治では国民に負託された責務を果たせていない。
-国民の声に耳を傾ける政治に変える
--政治が一般国民の立場に立っていない。
-次の世代に責任を持つ
--地球温暖化を未来への負の遺産として残してはならない。
どれも、的を射ている。
特に、三点目は地球温暖化対策本部長の肩書きに相応しい見識を持っていることを示しています。
政権交代がない今の政治では、新陳代謝が働かずに政治腐敗が生じるのは避けられないのだから、政権を替えて政治を変えるのは有権者の権利であることを自覚し一歩踏み出す勇気を持つことの大切さを力説されていました。
強面(こわもて)のイメージが強い岡田氏ですが、昨日の講演は会場の老若男女に語りかけるソフトな口調で、次期民主党を背負うのはこの人ではないかと感じました。
対話集会と銘打ったものなので、会場からも意見や質問を募るということになったところで、一つぶつけてみました。
昨日の記事にした「深夜コンビニ規制」です。
流通業界に身を置く一人として、温暖化問題を解決する先鋒として、どのようなバランス感覚を持っているのかお尋ねしました。
政党の対話集会は「サクラ」が多いと思いますし、昨日もあらかじめ用意された質問に答える時間もしっかりとられていました。
しかし、私からの投げかけは、事前に岡田氏にはなんの根回しもなく「ガチンコ」です。
コンビニの深夜営業を規制してもわずかな効果しか得られないのに比べて、日本企業200社で温室効果ガスの50%を排出している現状をどのように捉えるのか。
排出源上位20社は電力・鉄鋼・セメントが占め、コンビニを含む流通業は含まれていないのに、まずコンビニを叩くことはバランスを欠かないか。
これに応えて岡田氏は、原発の深夜電力、コンビニを取り巻く防犯や非行の問題、他業種の深夜操業との影響比較など、広く情報を分析して考える必要性を指摘しました。
まったくその通りだと思います。
流通業界としての立場からではなく、日本の温暖化対策の視点から総合的な検討に知見が及んでいることを感じさせられました。
この人になら、日本における地球温暖化防止の責任者を任せられる。
褒めすぎかもしれませんが、アメリカのゴア・元副大統領を彷彿させられました。
容姿もすこしダブルところがあるようにも思える。
会場を後にする際、関係者に岡田氏が漏らした言葉によると、
「あんなことを問われるとは思いもしなかった」
と、ローカルな集会でグローバルな話題が出ることを予想していなかった本音を吐露しています。
民主党長野県連は、コンビニの深夜営業自粛をマニフェストに取り入れています。
しかし、温暖化防止に対する限定された断片的な見識に基づいたもので、地球レベルの問題把握の上で論じられているものではありません。
岡田氏を核として温暖化対策を練り直し、地方から地球を守る意識をはぐくむことも、県連の重要な役割だと思います。