『昭和伊南総合病院救命救急センターは機能が不十分』
長野県救急医療機能評価委員会が現地調査を行った結果です。
瀧野昌也委員長は調査後、「現在の状態では機能が不十分と言わざるを得ない」とし、委員7人のうち参加した6人全員の結論が一致したと述べた。
さらに「センターとしてふさわしい病院がほかにあれば視察が必要」と述べ、具体的に伊那中央病院(伊那市)を念頭に置いていることを明らかにした。
これに対して杉本・駒ヶ根市長(伊南行政組合長)は、
「地域医療の最後のとりでとして機能を守っていきたい考えに変わりはない。その視点に立って県と話し合っていきたい。 」
ちょっと咬みあっていません。
昭和伊南総合病院(略して昭和伊南)は『かつて』上伊那地域の基幹病院でした。
しかし、中原前駒ヶ根市長が適切な投資を怠ったために、伊那中央病院にその地位を譲ってしまいました。
温泉には億単位の先行投資で自分たちのホテル業を潤しましたが、地域住民の健康を守る病院への投資をケチって昭和以南の弱体化を未然に防げなかった。
現時点において、上伊那の医療を支えているのは伊那中央病院です。
伊那市の病院としてではなく、辰野から中川までの広域の医療を支える重要拠点となっています。
杉本市長の間違いは、地域医療の最後の砦は伊那中央病院だということです。
辰野病院、伊那中央病院、昭和伊南総合病院の3院が連携して、地域医療を支えなければなりません。
駒ヶ根市の砦として昭和伊南を守っているようでは、地域のリーダーとしての見識が疑われます。
昭和伊南では救急医療が成り立たないのが現実です。
お産ができなくなり、ほぼすべてが伊那中央に助けてもらっています。
地域の救急医療を支えている伊那中央病院に協力することで昭和伊南を活用するべきでしょう。
現場(長崎正明院長)からも、「無理して継続することにより悪影響が出るよりは返上もやむをえない」との声が出ていると報じられました。
駒ヶ根市民としては、昭和伊南が総合病院として機能してもらいたい気持ちに変わりはありませんが、現実に伊那中央に支えてもらっていることからすれば、院長の判断を尊重したい。
昭和伊南の衰退は医師不足が直接の原因ですが、それを未然に防ぐ対策に投資を惜しんだ中原前市長の怠慢が招いたものです。
今さらながらに、中原後継候補を落選させてよかったと思うとともに、これからは駒ヶ根市中心の医療の視点ではなく、基幹病院に支えられながら地域医療を担う一員としての役割を考えていくべきでしょう。