電欠まで走り切って、リーフの限界を試しました。
普段通りに走行して帰りついたら、ちょうど航続可能距離が消える寸前になったので挑戦しました。
レッカーのお世話にならないために、家からの上り坂を利用した一周1.7キロの周回路を電欠するまでグルグルと走り続けました。
【電欠までの走行概況】
・航続可能距離は6kmまで表示され、それ以下は数字が消えて「---」の点滅に変わる。(この時点で積算距離18129km)
・バッテリー残量低下の警告を無視して走り続けると亀マークが出現して出力が抑えられる。(この時点で積算距離18137km)
・さらに無視して坂道を下り続けると回生発電していたはずなのに、ふっとモーター出力が抜けた感じがして、気が付くとドライブポジションが「N」ニュートラルに切り変わっていた。
・後は惰性で帰るしかないが坂道で勢いを付けて300メートルほどの距離を走って、なんとか車庫の50cm手前まで滑り込ませることができた。(車庫に納まった時点で積算距離18138km)
【充電状況】
・普通充電:100%
・充電量:21.4kwh
・充電時間:7時間41分
【現象】
航続可能距離が10km前後でバッテリー残量計がゼロ(0/12)になる。
航続可能距離が6kmの次は「---」と表示される。
ナビが警報を発する。「バッテリが残り少なくなりました。周辺の充電スポットを検索しますか?」
さらに約8km走行すると亀マーク出現してモーター出力が抑制状態。
ロア(下)メーターに「モーター出力制限中」の表示。
下り坂で回生発電中にもかかわらず数百メートルの走行で赤いバッテリーマーク点灯。
ギアが自動的に「N」に切り替わりモータ出力が遮断される。
【考察】
・バッテリー容量
リーフには24kwhのバッテリーが搭載されているが、実際に利用できる容量は最大でも21.4kwhにとどまることがわかった。
我が家のリーフはバッテリー容量が95.2%まで低下していると想定されるので(※1)、新車状態なら4.8ポイント分増加するとして22.4kwhに相当する。
ただし、この値は充電量であり、インバーターとバッテリー充放電でロスが生じることから車体内部で利用される電力量はさらに少ない。
過去の考察から普通充電によるロスは15%程度と見込まれるので(※2)、利用可能なバッテリ電力量は新車状態で19kwh、我が家のリーフの現状はで18.1kwhと推定される。
・航続可能距離(1)
航続可能距離が「---」になる前の電費は8.7km/kwhで、なってからは厳しい走行条件を試したので5.0km/kwh。
この条件下でも航続可能距離が「---」になってから9km走れたから、平坦路など条件が良ければ15kmくらいは行けるかもしない。
・航続可能距離(2)
バッテリー残量が1目盛に低下した状態の航続可能距離は信頼性が高く、メーターに表示される航続可能距離には余裕が数キロメートルしかない。
今回実験した坂道の周回だと3kmだし、平坦路でも10kmもないかもしれない。
・回生発電
リーフは完全に電欠するとギヤがニュートラルに固定されるから牽引して回生発電は不可能。
亀マークが点灯した時点から回生発電が無効になったようだから回生発電を期待するなら亀になる前までに。
モーター出力が抑制(亀マーク点灯)されたら安全な場所に退避することだけに専念するべき。
・リスクとメリット
電欠するとバッテリーに過度の負荷を与えるから電欠試験は最低限の実施にとどめるべき。=リスク
しかし、一度やっておくとリーフの「実力」を正確に把握できるから、実施するだけの価値はある。=メリット
※1
走行距離10万キロと経年数5年で日産が想定するバッテリーの標準的な劣化見込みから算出
※2
急速充電した場合は車内のデータを充電量として表示するが、インバータ通過後でバッテリー手前の回路に計測センサーが位置すると考えられ、充電量とはバッテリーに与えられた電力量とみなせる。
一方で、普通充電の充電量は供給する電力量なので、インバータ手前の計測であろう。すなわち充電量からインバーターロスを差し引いたものをバッテリーに与えられた電力量とみなす。
急速充電時の実電費はメーター電費とほぼ一致するが、普通充電時の実電費はメーター電費よりも15%ほど低い値を示す。
ゆえに、インバーターロスを現時点では15%程度と見込む。
【補足】
我が家の普通充電回路には電力計測器を設置してあるので正確な充電量が記録できる。
バッテリー残量計をゼロにしたのは今回が初めて。
普段のバッテリーの使い方は、ギリギリを狙うことなく残量計を1~2目盛り残して普通充電80%です。