・伊南病院の危機を乗り切れるのか

komachan

2008年12月24日 09:43

駒ヶ根の昭和伊南総合病院の再建計画が明らかになりました。

同院は07年度に過去最多の赤字約7億4,200万円を計上した。

現状では赤字解消の見込みはなく、抜本的な経営改革が求められている。


運営主体である伊南行政組合は22日、経営改革プランの素々案を同組合議会全員協議会で示した。

現在300床の許可病床数を来年度から220床とするとともに、経営形態を来年度中に地方公営企業法の一部適用から全部適用に移行するというもの。

組合長が任命する事業管理者を経営責任者に据えて経営再建を図り、人件費などの経費削減を進め、2010年度に黒字化する目標を掲げている。


病院の役割として、地域の医療機関との連携、機能分担を進め、1次医療は開業医が担い、2次医療や救急医療を昭和伊南が受け持つ体制の構築を目指す。

救命救急センターについては24時間体制の3次救急患者受け入れが困難な状況にあるとして、在り方を検討する時期にきているとしている。

救命救急センターは県からも返上を言い渡されているので、理事者の面目を保つために権利に固執している場合ではない。


プランの策定に当たり、医師会や地域住民の代表ら病院外部の委員で組織する昭和伊南の運営審議会(仮称)を来年1月早々に設置する。

素々案について意見を聞いて内容を煮詰めた上で、同議会の承認を得てプランを確定するが、同審議会は以降も継続し、病院運営に関する客観的な評価を受けていく考えが発表されている。

委員には利害関係者だけではなく、財務の専門家や優れた経営たちの知恵も借り、プランが実現可能かどうかしっかりと見極めてもらいたい。

絵に描いた餅では困るからです。


決め手となるのは事業管理者の選任です。

行政組合である杉本市長は、外部からの人選に難色を示しているようですが、内部に人材がいないから今の窮状を招いたことを重く受け止めてもらいたい。

経営改革に再度失敗して、またも「ごめんなさいで許してね」というわけにはいかない。


これを機に、これまで昭和伊南総合病院の経営に関与した議員や理事者(退職者も含め)は、今の惨状を招いた責任を懺悔する意味で、当時頂戴した手当てを自主返納するべきだと思います。

行政の無策を許してきた市町村民も新たな財政負担をし、民間よりも厚遇されてきた職員も経営状況に応じた給与水準に改めるのだから、議員や市町村長も身を削る姿勢が求められます。


地方自治体病院の崩壊は日本全国で頻発している社会問題となっています。

他の地域の失敗を顧み、成功に学び、国や県の指導もできる限り仰いで、確実な再建の道を歩み出してもらいたいと思います。

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