「生ごみ処理機はどこのメーカーがいい?」と、知人に尋ねられました。
「使っていた処理気が壊れて買い替えるんだけど、ハラペコ君というのがイイらしいけど14万もするんだ」
量産効果が得られないローカルな機械は価格が高止まりしてしまうのは仕方がない。
「畑があるんじゃなかったっけ?」と問うと、
「おふくろが生ゴミコンポストを使っているけど、ウジが湧くと言って殺虫剤を入れてしまうんだ」
「それじゃ微生物が死んで生ごみを分解できないじゃないか」と、話は本論へ。
生ごみ処理機はやめて、畑で良質なたい肥を作ることに変えませんかと勧めてみた。
畑に直接生ごみを入れても土壌に棲む微生物が分解してくれる。
しかし、畑の土壌として適さない状況を作ってしまうことがある。
生ゴミと落ち葉、刈り草などを組み合わせて良質なたい肥を作るのは簡単ではない。
しかし、良いたい肥が作れるようになると良質な微生物が繁殖して、どんどん有機質を分解してくれるようになる。
我が家の堆肥も、今ではひ弱な生ごみ処理機とは比べ物にならないほどの威力で有機物なら何でも分解してしまう。
し尿を入れても数時間で無臭になってしまうほどだ。
課題は野生生物の餌にしないこと。
囲ってもタヌキは土中を掘り進み、ハクビシンは乗り越える。
彼らの特性に応じてトタンと網を組み合わせて囲いをつくるのはなかなか難しい。
生ごみ処理機のお勧めを尋ねられたのだが、良質なたい肥を獣害から守りながらつくる新たな試みに切り替えることを提案した。
本来なら行政が地域特性に応じた生ごみ処理のノウハウを市民に広めるのが務めだ。
上伊那のゴミの約4割は生ゴミだ。
作物の資源となるべきものが焼却されている。
先のコンポストの例のように、間違った使われ方で生ごみの自家処理が妨げられている。
コンポストの購入に補助金を出しても、コンポストの使い方を市民に指導することはない。
お役所仕事の役割が履き違えられている。
金ではなくズクの方が効果が高いということにお役人が頭を切り替えなくては。
我が家の堆肥を農業試験場で分析してもらったところ、C/N比は13だった。
難分解性のおが粉(C/N比340~1250)を大量に入れていてもC/N比を下げられるのは良質な微生物の働きのおかげだ。
『○○菌』といった高価なマユツバ品などなくても生ごみたい肥が作れることが広まるといいなと思う。