ブロガーにとって大変な判例が示されてしまった。
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ネット書き込みでの名誉毀損めぐり最高裁が初判断 有罪判決確定
ラーメンチェーン店の運営会社が「カルト集団」と関係があるかのような書き込みをインターネットのホームページ(HP)に掲載し、名誉を傷付けたとして、名誉棄損罪に問われた会社員、橋爪研吾被告(38)上告審で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は、橋爪被告側の上告を棄却する決定をした。1審東京地裁の無罪判決を破棄、罰金30万円の逆転有罪とした2審東京高裁判決が確定する。決定は15日付。
ネットの書き込みで名誉棄損が成立するかどうかについて、最高裁が判断を示したのは初めて。
同小法廷は「個人がネットに掲載したからといって、閲覧者が信頼性の低い情報と受け取るとは限らず、ほかの表現手段と区別して考える根拠はない」と指摘。その上で、「不特定多数が瞬時に閲覧でき、名誉棄損の被害が深刻になり得る。ネット上での反論で被害回復が図られる保証もない。ネットだからといって、より緩やかな要件で同罪の成立を否定すべきではない」と結論づけた。
1審は「ネットは利用者が自由に反論でき、情報の信頼性も低い。故意のうそや、可能な事実確認をしなかった場合に名誉棄損罪が成立する」との基準を示し、無罪とした。しかし、2審は「ネットで真実ではない書き込みをされた場合、被害は深刻になる。ネットは今後も拡大の一途をたどると思われ、信頼度の向上が要請される」などとして、名誉棄損を認めた。
判決によると、橋爪被告は平成14年、自らのHPにラーメンチェーン店の運営会社を「カルト団体が母体」などと中傷する書き込みを行った。 <2010.3.16 産経ニュース>
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個人のHPやブログが報道と同じといわれてもね~。
金とって配信しているものと一緒にするのはおかしい。
誰でも容易に閲覧できる報道の記事と、たまたま見かける程度の個人の記事を同列にする感覚が理解できない。
しゃくし定規に判例を適応させたからだと思います。
白木勇裁判長は「確実な資料や根拠に基づき、真実と信じる相当な理由がある場合に限って無罪になる」とした名誉棄損事件の判例基準に触れ、「ネット上の情報でも、ほかの表現手段を利用した場合と区別して考える根拠はない」と指摘。
はてなのブログは「ダイアリー(日記)」に分類されている。
しかし最高裁の判決からすると「ニュース(報道)」に変えなければならない。
とっても違和感がある。
無罪とした一審の方が一般人の感覚に近い。
1審は「ネットは利用者が自由に反論でき、情報の信頼性も低い。故意のうそや、可能な事実確認をしなかった場合に名誉棄損罪が成立する」との基準を示し、無罪とした。
最高裁の判例が固定化されたら、ブログがもつ自由な表現がかなり制限されてしまう。
企業の批評などはもってのほかだ。
有罪とした二審の判決も浮世離れしている。
2審は「ネットで真実ではない書き込みをされた場合、被害は深刻になる。ネットは今後も拡大の一途をたどると思われ、信頼度の向上が要請される」などとして、名誉棄損を認めた。
報道と同じレベルで信頼性の向上を要請されても応えられるわけがない。
報道とブログでは信頼度が違うことをネットユーザーの多くは認識しているが、法曹界は認識していないことが明らかになった。
だれか、法律家に「個人のネット情報は報道とは次元が違うんだぞ」、と教えてもらいたい。
ネット業界も動かざるを得ないだろう。
情報の信頼度を定義して、上は報道から下は2chの書き込みまで、ユーザーが妄信しないように注意を喚起するしかない。
早く対応してもらわないと、お気楽ブログしか存在できなくなってしまう。
こまったな・・・。