2007年11月09日 10:26
敗訴が確定したリサイクル・アシスト社(東京都文京区)は、判決で特許権侵害とされた製法などをすでに変更。カートリッジのタンク内を洗浄しない製法を採用したほか、中国からの輸入をやめて国内に生産拠点を移した。「判決が確定しても販売にまったく影響はない」と強気の姿勢だ。
インクカートリッジのリサイクル品のシェアで8割を占める最大手「エコリカ」(大阪市)も「判決が特許権侵害と認定したようなリサイクル方法は採っていない」と影響はないと強調する。最高裁で判決言い渡しを傍聴した宗広宗三社長は「知的財産の保護に偏った判決だ。競争原理が働かずユーザーの選択肢がなくなることを危惧(きぐ)する」と話した。
調査会社BCNによると、インクカートリッジ市場でのリサイクル品のシェアは1割に迫り、2年前の2倍近くに伸びている。ある業界関係者は「訴訟のおかげでリサイクル品が認知され、売れ行きが伸びた面もある」と指摘。判決の意義を「安い中国製のリサイクル品を排除したいという狙いは成功した」という点にみる関係者もいる。