・駒ヶ根市長選挙を評価する
駒ヶ根市長選挙を総合評価して、明日の投票に臨みたいと思います。
**選挙戦術
杉本候補 ◎ > 林候補 △ > 北沢候補 ×
評価が低い順に考察すると、北沢候補の選挙運動は違法の疑いが極めて高い。後援会長までもが先頭に立って怪文書を配るなど、順法意識が欠如している。
林候補は、「みんなの会の候補」とされ、共産党系の候補としての位置づけを自ら限定する戦術に出ている。無党派層を引き入れるには垣根が高すぎる。
杉本候補は、4年前の失敗を踏み台に、保守層を核にした無党派層の獲得に重点をおいている。共産対保守の争いに嫌気がさした有権者の受け皿を狙う戦術は的を射た。
**政策・公約
杉本候補 〇 > 林候補 ○ >北沢候補 ×
評価が高い順に考察すると、杉本候補は、当初あいまいだった政策がマニフェストによって明確になり、駒ヶ根市財政の問題点を具体的に追求した。実現の可能性を重視するあまり、リップサービスがないのはさびしい気もするが、それは責任ある公約として位置づけられる点を評価した。
林候補は、当初から市政転換を目指し、土建を切って福祉に回す政策を具体的に示してきた。整合性の点でも問題ないことは確かめられたが、地場産業としての下請け土建従事者の生活を守れるのかという「弱者配慮」とのバランスが一部に心配である。
北沢候補は、中原市政を継続すると言っているので、あらためて検証するまでもない。20年続いた市政を見直さなければ、弊害がさらに膨らむのは、保守系の有権者でも理解できる。公約は、選挙のための利益誘導として「道具」に使われ、市職労との密約に代表されるように市民全体の利益とならない。
**選挙に勝つのは誰か
北沢候補 〇 > 杉本候補 △ > 林候補 ×
新聞の論評などを総合すると、北沢候補がリードを広げている。有権者の半数を超えるといわれる後援会組織を固めて、中原市長の影響力を最大限に利した組織戦術が功を奏している。もはや無党派層など当てにしなくても、これまで通りの利益誘導で十分な票を集めて勝てる雰囲気がある。
杉本候補は接戦に持ち込めば有権者の良識が決め手になる。組織に頼らない民主的な選挙を目指す姿勢が駒ヶ根の有権者にどこまで届くのか、市民が駒ヶ根を愛する気持ちにかかっている。政治への無関心層が、「自分が損をするんだ」と気が付くかがポイント。
林候補は、政策の良さを選挙戦術が足を引っ張ってしまっている。無党派で出馬したのに共産党を全面に戦っては、「共産ブランド」に共鳴する固定された支持層にとどまってしまう。自分たちの闘いに没頭すればするほど普通の市民の票が逃げていく悪循環に陥ったのではないかと思う。
**駒ヶ根市政を変えるための現実的な選択
・北沢候補が当選すると駒ヶ根市は今のままか、さらに悪くなる。
・林候補が当選する可能性はきわめて低い。
・杉本候補なら勝てる可能性が残されている。
駒ヶ根市を変えるための選択肢は一つしかない。
最適の選択でなくても、最悪の結果を招かないためには、より「マシ」な選択が必要となる。
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