衆院選の長野五区に社民党が候補を擁立する。
2000年衆院選比例代表東京ブロック、01年東京都議選、07年神奈川県議選に立候補するも全敗している池田幸代という人物です。
この人が話題の的となっている「阪神大震災の村山元総理の初動遅れ」を巡る社民党幹部のブログ事件は、この方の名前で検索すると膨大なサイトが取り上げていることからも関心の高さが伺えます。
池田氏が阿部知子衆議院議員秘書だった昨年、阿部議員が阪神大震災に向かう自衛隊の初動の遅れを批判した記事。
阪神大震災は12年目を迎えたが、国民を災害から守ることを任務とされているはずの自衛隊が、国による命令を受けて救援に向ったのは、数日を経て後のことであった。日本の場合、自衛隊は軍隊ではないし、国土保安隊として出発し、防災のたねにも働くことを任務としてきた特別な生い立ちがあるのに、である。
震災当時の総理大臣は社会党の村山富市。
大先輩が自衛隊の最高責任者であったことを棚上げに、自衛隊の怠慢だと言及したことが批判されました。
そして、その矛先が秘書だった池田氏のブログに飛び火したようです。
当事者でないブログに非難の矛先を向けるのは妥当ではないと思いますが、池田氏はその対処方法を間違えたために大きな火種を今に残してしまった。
ネット上の方々を相手に、シャドーボクシングをする力量は今の私にはありません。
私は毎日、現実と格闘している方々のお話を伺い続けています。
この言葉を残して外部との接点を遮断してしまった。
一般市民のブログであれば、好ましくない書き込みを削除しても問題はないと思うし、ブログを続ける意欲を殺ぐような誹謗中傷をそのままにしておく義務もない。
しかし、あちらこちらで立候補の経験を持ち政治家を目指している公人となると話は別です。
都合のよい意見だけを聞いて、耳に痛い忠言は排除するような政治家は、他所の選挙といえでも迷惑な話だと思っていました。
ところが、その張本人が事もあろうに長野五区に立候補するというから驚きです。
さらに、立候補の理由は当人が政治家になるためではなく、社民党の比例票を稼ぐための捨て駒だというから有権者を馬鹿にした話だと思う。
社民党にとっては北陸信越比例ブロックでの一議席獲得が最大の課題だというが、そのために当選の見込みのない候補者を立てて党の宣伝をさせるのは選挙の悪用に他ならない。
政権選択の選挙であることは国民の誰もが認めるところのはずですが、社民党は野党共闘の重要性よりも自党の利益を最優先させてしまった。
党が生き残るための死に物狂いの戦いであるとの位置づけなんでしょうが、捨て駒を送り込まれた選挙区の有権者の利益は度外視している。
立候補の目的が比例票獲得のためであることが明白な池田氏に、選挙区の票が無駄に流れることをすでに立候補を表明している各陣営では恐れている。
一般的な見方をすれば民主党に打撃が大きいと見られがちですが、この長野県は自民党と社民党が表裏一体となって選挙を動かしてきた歴史があるそうです。
自民党との蜜月が敗れた社民党というのは他所から見れば異常ですが、社民党との暗黙の住み分けを続けてきた経緯が有権者に広まることは自民党にとって脅威になるのでは。
党利党略のために影で手を携えあってきた自民党と社民党がいがみ合う結果となったことで、有権者はどちらの党にも嫌気がさすことになると思います。
民主党は、これらのわがままな政治屋とは一線を画して、堂々と日本の将来、伊那谷の問題解決の処方箋を示して衆院選を戦って欲しい。