2009年10月28日
・稲わら焼きは社会の迷惑
稲わら焼きが社会問題化しているという。
秋田県では公害防止条例の規定により、稲わらスモッグの発生を防止するため、10月1日から11月10日までの期間は、稲わら等の野外燃焼行為が全面的に禁止されている。
青森県では、県議会が条例制定に向けた作業部会を設置し、わら焼き防止に向けた適切な対策をした上で政策提言する方針を示している。
なんで藁を焼くのかな。
田んぼに施す貴重な有機質なのに、もったいないじゃないか。
化学肥料に頼った稲作だから、わらが邪魔になるのだという。
また、焼かないで春に田んぼに犂(すき)込んでも全部犂込まれない、代かきをするとコンバインで切った稲藁が田んぼに入らずに浮くなどと、わがままを言う農家があるようだ。
百害あって一利なしかというとそうでもなくて、田面に落ちている稗(ヒエ)などの種が稲藁を焼くことで一緒に焼けて発芽しなくなるという効果もある。
しかし秋田県横手市では、厳しく取り締まっている。
同市のHPによると、
農家のわがままで地域社会に迷惑をかけているのでは、厳重な措置もやむを得ないか。
一方で「くん炭製造に伴う『もみ殻』の燃焼も、稲わら燃きと同様です。」という一文には異論がある。
犂込んで有機質肥料にするべき藁と異なり、籾殻は薫炭処理することで効果的に田んぼの肥料として利用される。
また、くん炭で生じる煙は、燃焼させた時に比べて極めて微量にとどまる。
「もみ殻焼き」と「もみ殻薫炭」の違いはしっかりと区別するべきではないかな。
確かにハザ掛けで米を乾燥させた場合、残った藁の始末は大変だ。
稲わらカッターを田んぼに持ち込んで、細かく裁断してからでないと犂込めない。
でも、これをやることで良い米ができる。
手抜きをしてわらを焼却処分し、肥料は化学肥料で手間なしと手軽な農法に手を染めてしまっては、まずい米になってしまっても仕方がない。
稲わらをすき込むと、藁が分解するためには相当量の窒素肥料を施す必要がある。
藁のC/N比は70前後なので、良好な土壌のC/N比である10程度にまで下げるために窒素が求められる。
窒素を補い炭素率を30程度に引き下げなければ腐熟が進みにくくなる。
求めているのは藁でも土でもなくて、藁を分解したいと待ち構えている微生物なんだけど。
**備忘録
<10a当たりの稲わらすき込み量は概ね500~600kgなので、稲わら500kgの場合の算出例>
稲わらの成分は、おおむねC(炭素量)=45%、N(窒素量)=0.6%ですので、炭素率(C/N)=75になる。
稲わら500kgすき込みの場合、C(炭素量)=225kg、N(窒素量)=3kgとなり、C/N比を75から30にするために必要な窒素成分量(X)は次のとおり。
炭素量(225kg)÷窒素量(3kg)=75→30
225÷(3+X)=30
X=4.5kg
我が家で仕入れている鶏糞は窒素成分2.4%だから、
4.5÷2.4×100=188kg
藁すき込みの時に、一緒に鶏糞を200kg程度は入れる必要がある。
翌年の稲作肥料として考えると、総量で1トン入れるということになる。
秋田県では公害防止条例の規定により、稲わらスモッグの発生を防止するため、10月1日から11月10日までの期間は、稲わら等の野外燃焼行為が全面的に禁止されている。
青森県では、県議会が条例制定に向けた作業部会を設置し、わら焼き防止に向けた適切な対策をした上で政策提言する方針を示している。
なんで藁を焼くのかな。
田んぼに施す貴重な有機質なのに、もったいないじゃないか。
化学肥料に頼った稲作だから、わらが邪魔になるのだという。
また、焼かないで春に田んぼに犂(すき)込んでも全部犂込まれない、代かきをするとコンバインで切った稲藁が田んぼに入らずに浮くなどと、わがままを言う農家があるようだ。
百害あって一利なしかというとそうでもなくて、田面に落ちている稗(ヒエ)などの種が稲藁を焼くことで一緒に焼けて発芽しなくなるという効果もある。
しかし秋田県横手市では、厳しく取り締まっている。
同市のHPによると、
今まさに、横手の米農家の品格が問われているものと思われます。
今年度は次の地域が、稲わら燃焼禁止に係る重点地域に選定されています。(秋田県指定)
横手市大沢、赤坂、睦成、大屋新町、大屋寺内、境町、増田町増田、平鹿町醍醐、浅舞、上吉田、中吉田、雄物川町今宿、砂子田、十文字町植田
稲わら焼き等の煙による視界障害は、重大な交通事故を引き起こす原因となります。
稲わら焼き等の煙は目やノドを痛める原因になります。特に体の弱い方や病気の方には、煙害により体調をくずす人がでてきます。
稲わら等の焼却を行なった場合、県では氏名公表も含めた厳重な措置をとることがあります。
農家のわがままで地域社会に迷惑をかけているのでは、厳重な措置もやむを得ないか。
一方で「くん炭製造に伴う『もみ殻』の燃焼も、稲わら燃きと同様です。」という一文には異論がある。
犂込んで有機質肥料にするべき藁と異なり、籾殻は薫炭処理することで効果的に田んぼの肥料として利用される。
また、くん炭で生じる煙は、燃焼させた時に比べて極めて微量にとどまる。
「もみ殻焼き」と「もみ殻薫炭」の違いはしっかりと区別するべきではないかな。
確かにハザ掛けで米を乾燥させた場合、残った藁の始末は大変だ。
稲わらカッターを田んぼに持ち込んで、細かく裁断してからでないと犂込めない。
でも、これをやることで良い米ができる。
手抜きをしてわらを焼却処分し、肥料は化学肥料で手間なしと手軽な農法に手を染めてしまっては、まずい米になってしまっても仕方がない。
稲わらをすき込むと、藁が分解するためには相当量の窒素肥料を施す必要がある。
藁のC/N比は70前後なので、良好な土壌のC/N比である10程度にまで下げるために窒素が求められる。
窒素を補い炭素率を30程度に引き下げなければ腐熟が進みにくくなる。
求めているのは藁でも土でもなくて、藁を分解したいと待ち構えている微生物なんだけど。
**備忘録
<10a当たりの稲わらすき込み量は概ね500~600kgなので、稲わら500kgの場合の算出例>
稲わらの成分は、おおむねC(炭素量)=45%、N(窒素量)=0.6%ですので、炭素率(C/N)=75になる。
稲わら500kgすき込みの場合、C(炭素量)=225kg、N(窒素量)=3kgとなり、C/N比を75から30にするために必要な窒素成分量(X)は次のとおり。
炭素量(225kg)÷窒素量(3kg)=75→30
225÷(3+X)=30
X=4.5kg
我が家で仕入れている鶏糞は窒素成分2.4%だから、
4.5÷2.4×100=188kg
藁すき込みの時に、一緒に鶏糞を200kg程度は入れる必要がある。
翌年の稲作肥料として考えると、総量で1トン入れるということになる。