2014年11月20日

自動車が先か、充電器が先か

日経テクノロジーオンラインが提供するEVに関する連載記事の質が高い。

第1回 ノルウェーはなぜ電気自動車普及に成功したのか
第2回 天然ガス車で失敗したニュージーランド、成功したアルゼンチン
第3回 「一石三鳥」で電気自動車/プラグインハイブリッド車普及に成功したオランダ
第4回 電気自動車と充電器、どちらの普及を先にすべきか明らかにした日本の試験
※記事全文を読むには登録が必要です。

第4回はEV普及のカギを握る充電施設について論じています。
「急速充電器を狭いエリアに多数設置し、設置前と設置後でそれぞれEVの走行パターンを観察したところ、驚くべき変化が現れた。それまで月間200km程度だったEVの平均走行距離が、大幅に伸びたのだ。その距離、なんと1500km。」
「EVの電池残量(SOC)の平均が下がったのだ。充電器が少ないうちは、電欠(走行中に電池切れになること)を恐れて常に満充電を心がけていたのに対し、急速充電器が多数設置されたことによって、電池残量を気にする必要がなくなった。」

東京電力が急速充電器の普及効果を検証した実験結果ですが、電欠の心配が薄れることによって距離が伸び、バッテリーの使用領域が下がる(少ない残量まで使い切る)。

充電インフラが少ないと、目的地が遠くなるほどに綿密なプランニングが必要になる。
行き当たりばったりでも何とかなるが、無駄な時間が増え、電欠でレッカー移動を経験する羽目になってしまう。

充電インフラが現在のガソリンスタンド並みになると、「そろそろ減って来たな」と思ってから最寄りの充電施設へ立ち寄る程度の感覚になり、気軽に出かけられるようになる。

しかし、現在の充電施設計画は目的地充電が疎かになっています。
スタンド型の充電ケーブルが付属した高価な充電器でなくてもいいから、圧倒的に低コストの200Vコンセントを滞在時間が長い宿泊、娯楽、観光の各施設に設置を促すべきだろう。

記事が指摘している通り「充電インフラ投資のベストミックス」が2015年度の課題になると思います。
EVユーザー自身も、出掛けた際に立ち寄り先に「コンセントがあると便利なんですよ」と意識付けするための一言も大事ではないでしょうか。

うちのリーフは年末までに日常の通勤とは別に1500kmほどを二度に分けて四泊でドライブする予定ですが、そのうちの三泊は宿泊先で充電します。
専用充電器は一か所だけで駐車場近くの屋外100Vコンセント利用が二か所です。
新たに設置するのは面倒でも、100Vを200Vにするのはそれほど難しくないので働きかけやすい。

同じカテゴリー(EV)の記事画像
JCNの充電アプリは高速道路で重宝する
同じカテゴリー(EV)の記事
 e燃費アンケートがEVは高級車と位置付け (2018-03-15 08:08)
 三菱にあって日産にないバッテリー計測 (2018-03-09 08:27)
 太陽光発電の雪下ろしでEVは2千キロ走れる (2018-02-02 11:28)
 急速充電網の通信障害 (2017-12-28 08:25)
 EVを電池として活用、使用済みバッテリーも生かすVPP実証 (2017-12-12 08:20)
 捕らぬ狸の皮算用から見える反EV政策 (2017-12-11 07:54)
Posted by komachan at 08:01│Comments(0)EV
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。