2014年04月08日

・速度超過は得か損か

あたたかな春の行楽シーズンに入り、出かけることが多くなります。
EVは、限られたエネルギーを効率よく使えば遠方へ出かけることもできる。

遠くへ早く到着するには速度を上げればいいが、それに伴ってエネルギー消費も増えるので充電時間が必要になり、バランスが難しい。
制限速度を超えて走るのはリスクが伴うから、なおさら悩みの種になる。

人それぞれに考え方があると思いますが、判断基準があればいいなと思って試算しました。

【試算条件】

今週末に出かける忍野八海~昇仙峡への一泊二日の行程420km。詳しくは→ 「忍野八海~昇仙峡めぐり」
制限速度:一般道 平均50km/h、高速道 80km/hと仮定
充電は速度超過によって生じた電力差を算定対象として、一回につき10kWhで30分、操作などのロスタイム10分、充電待ちは一回につき10分と仮定した。




全行程を制限速度で走行した場合は7時間36分の所要時間となり、5km/hごとに超過した場合に得られる利得時間を計算しました。
EVは速度を上げても時間短縮できるとは限らないようです。

この行程だと制限速度+10で効率が良さそうですが、5km超過のケースでも80%充電で出発するところを100%充電に変えれば充電回数を増やさないことも可能で、この場合だと36分の利得で最も効率が良くなる。
実際の道路における流れとの兼ね合いがあるので断定はできないものの、自分が速度を決められる状況なら5~10km/h超過が良さそうです。

今回は、出先の宿で100Vコンセントをお借りして100%充電することで、速度超過5kmのケースを採用できます。
ゆっくり走って、結果として時間も短縮される。
賢くドライブ計画を立てることは心のゆとりと安全を両立させてくれますね。

※法定速度や取扱説明書を厳守する方には不向きな情報ですので悪しからず。
  
Posted by komachan at 13:14Comments(0)リーフ

2014年04月02日

・運転技術の向上が判るグラフ化

日産リーフのカーウイングスでデータを収集し始めた10月から3月までの電費の分布をグラフ化しました。
エアコン(ヒーター)の影響は除外して、月毎にグループ分けしてあります。

気温分布が似ている11~12月と3月で近似線を入れて比較してみました。



同じような気温でも3月の方が電費が良くなっている原因は、運転技術が向上したと考えられます。

平日は奥さんが通勤に使っているので電費が低い範囲に相当します。
この範囲では、11-12月と3月で電費に顕著な違いは見られません。
うちの奥さんは、特に省エネ走行を意識していないので変化がない、すなわち車として電費が向上しているのではないことになります。

一方で、休日や遠出は私が運転しますが、電力消費シミュレーターを使って効率的なルートや速度、充電量を探ってから出かけます。
千メートル超の峠越えが連続する厳しい行程で出かけているにもかかわらず、電費は10近くに伸びています。
運転技術の向上が現れていると思います。

シミュレーターで走行に必要な電力量をかなり正確に把握しているので、途中の充電スポットでは必要な分だけ充電するから時間が短縮できます。
満充電に近づくと充電速度は落ちるので、電池残量の比較的少ない範囲を使って走行することでも充電時間が短縮できます。
充電で短縮した時間を走行中の余裕に充てるので、のんびり走るから結果として電費が良くなります。

運転技術の向上は、アクセルの踏み方に限ったものではなく、事前のドライブ計画まで含めた総合的なレベルアップの成果だと思っています。
  
Posted by komachan at 09:25Comments(0)リーフ

2014年03月28日

・伊豆高原は暖かかった

26日から一泊で伊豆高原に出かけてきました。
初めは一般道で杖突峠を越えて諏訪南ICから中央高速に乗りました。

甲府昭和ICで下りて甲斐日産本店で充電。
朝霧高原を経て新東名で駿河湾沼津SAで充電。
SAとは思えない、テーマパークのような建物にびっくり。



全線開通した伊豆縦貫道を通って、伊東経由で伊豆高原へ。
宿では電気自動車への対応は初めてで、コードリールを伸ばして100V充電させていただきました。
しかし、80~90Vまで電圧降下したので予想以上に時間がかかり、出発時には満充電に若干不足しました。



修善寺から伊豆縦貫道、新東名を経て静岡日産富士宮店で充電しつつ、向かいにある寿司店で昼食。
雨の朝霧高原を抜けて甲府南ICから中央高速に乗り、双葉SAで充電。
アウトランダーが充電待ちに並んだので20分ほどで切り上げました。

諏訪湖で充電したら電池温度が30度を超えたので少し冷ました方が良かろうと思い、SA内の温泉に浸かりました。
ここはC-NEXCOのカード会員は無料で入浴できます。



気も体もゆったりとしたところで自宅へ向かいます。
電池温度はSAではほとんど下がらなかったが、80km/hの走行で徐々に下がり始めました。

二日間の電力消費記録は下表の通りでした。



雨が降ったり強風が吹いたりと読みにくい天気だったので往路の山越えは電池残量に余裕を持たせ、帰りも天候が変わりやすい朝霧高原越えは若干余裕を見ました。

カーウイングスの走行データーとシミュレーターの試算値は高精度で近似しました。
精度の高い充電計画のおかげで、充電時間を効率良く短縮できました。


今回の走行距離 520km 、 消費電力 57.9kWh 、 平均電費 9.0km/kWh
  
Posted by komachan at 21:58Comments(0)リーフ

2014年03月23日

・四賀の福寿草祭りへの走行記録

天気が良かったので、奥さんと松本市の四賀地区で開催されている福寿草祭りに出かけてきました。
四賀の福寿草祭りは自然の土手に自生したかたちで数十万株の花が見られるところがすごい。





いつものようにドライブ計画をシミュレーションしてから出かけます。

田舎の日曜の朝は道路が空いているので往きは一般道を、帰りは地元で駅伝が行われるために渋滞を避けて高速道路。
電力消費は通常使われているkWhとLeaf Spy独特のGIDsを併用します。





シミュレーションと実走行を比較します。

自宅から一般道を走行して四賀の福寿草祭りを堪能し、安曇野ICから高速道路に乗って梓川SAで急速充電しました。
シミュレーションでは3.2kWh(41GIDs)残して梓川SAに到着する見込みでしたが、実走行では4.6kWh(60GIDs)の残量でした。




実走行をシミュレーションに落とし込んで再検証します。
想定では、道路環境は発進停止間距離を4km(田舎)としましたが、実走行のデータから8.5km相当だったことがわかります。

8.5kmに一回の割合で発進と停止を繰り返したことになり、かなり道路が空いていたことが分かります。





シミュレーションで通常走行時の消費電力はかなりの精度で予測できるようになりましたが、発信停止で消費する電力は正確な予測が困難です。
最先端のナビソフトのように信号の数や渋滞情報まで取り入れられれば良いのですが、個人では無理。

これまで日本全国をくまなく走った経験で、地図を見て大まかに「田舎」「郊外」「住宅」「市街地」などに分類して、発停間距離を想定しています。
  
Posted by komachan at 20:38Comments(0)リーフ

2014年03月20日

・Leaf Spyを使いこなす

Leaf Spyはバッテリーの下限残量と電費を設定して航続可能距離を予測することができる。
これから走る先の電費を与えれば、正確な航続可能距離になる。


一般的には無理な注文だが、電力消費シミュレーションを使えば可能です。
うちのリーフ用に作成した電力消費シミュレーションの精度は誤差が3%未満なので十分に実用になる。

遠乗りする際、あらかじめ充電スポットを予定して、区間の電力消費量を試算しておく。
ここで得られた電費をLeaf Spyに設定すると、実際のバッテリー残量から到達可能か正確に判断できる。
初めて訪れる旅先では特に有効です。

リーフのメーターに表示される航続可能距離は「現在の電費」を元にしているから先の予測には役に立たない。
次の充電スポットへたどり着けるかどうかの判断は、経験と勘に頼るしかない。
当然、充電量に余裕が欲しくなるから必要以上に充電時間をかけることになる。

急速充電は、充電量が多くなれば時間の割に充電される量が少なくなる。
必要にして最小の充電量が判っていれば充電時間が短縮され、バッテリーへの負担も少なくなる。
千キロ以上の旅行だと充電でロスする時間の積算はかなりの長時間になりますが、これを節約できるメリットは大きい。

航続可能距離が信頼できるようになると、走行中の不安も無くなってドライブが楽しめます。
MC後のリーフには到着時のバッテリー残量を予測する機能がありますが、速度などの走行条件が一律なので自分の走りに合っているとは限らない。
ましてや、予測機能が無いMC前のリーフは常に不安を抱えながら走ることを強いられてしまう。

個人でも作れる程度の電力消費シミュレーションをナビに搭載しないのはメーカーの怠慢だと思います。
商品価値を小出しにしているのでしょうね。  
Posted by komachan at 20:23Comments(0)リーフ

2014年03月19日

・100V充電ケーブル

災害対応と旅先でのエネルギー確保のために100V充電ケーブルを用意しています。
専用のコンセントがあれば何も問題はないのですが、リーフは一般的な屋外コンセントでは充電できません。
アースが必須だからです。

でも、何らかの方法で接地すれば充電できるので、旅先へは長~いアース線を持って行きます。
土中に埋め込まれた金属管(ガス管、水道管は×)があればつなぎますが、見当たらない時は太くて長いテクスビスを土に挿し込んで簡易アースにします。
※専用コンセント以外は設置者の了解を得たうえで自己責任で使うことが前提ですよ。

一時間に1kWhしか充電できませんが、宿で充電するなら通常のチェックイン(14:00)~チェックアウト(翌10:00)で20時間もあるので、満充電することも可能です。
宿を探す時には「駐車場の近くにコンセントがありますか?」と尋ねるようになりました。  
Posted by komachan at 09:17Comments(0)リーフ

2014年03月18日

・充電量と利用可能量

EVの充電方法には100V、200V、EVパワーステーション、急速充電など多様です。
バッテリーに与える影響もそれぞれで違うし、充電効率も異なるようです。

充電器やモニターに表示されるのは「充電器が消費した電力量」で、電気代や環境負荷を知る場合の参照値となる。
しかし、充電で注目するのは使えるエネルギーだと思います。
ガソリン車と違って、入れた量と使える量に差があるのですから。

最も知りたいはずの「使えるエネルギー量」が的確に判らないのがEVの欠点です。
電池残量計は思いっきりあいまいだし、%表示される車種もあるが絶対量が判らないからやはり感覚的なものになります。
電費は表示されても、もとになるはずの電力量が判らないのでは宝の持ち腐れです。

一方でリーフにはカーウイングスというデーター提供があり、走行に消費したエネルギーを正確に把握できる。
走行後の検証にとても役立っています。

走行中にカーウイングスと同様の情報を得るためにLeaf Spyというアプリを利用しています。
バッテリーに充電された使用可能なエネルギー量やリアルタイムの電力消費量を知ることができる。
でも、社外アプリに頼らなければ車の情報を知ることができないのはユーザーとしては不満が残ります。

メーカーが正確な情報をユーザーに提供しない理由は何でしょうね。
刻々と劣化するバッテリーの状態を知られることを恐れているのでしょうか。

車任せに乗る人もいれば、車のポテンシャルを最大限に引き出したい人もいる。
ユーザーの欲求を満たす、広範なオプションが設定されると使い勝手がさらに良くなると思います。  
Posted by komachan at 08:55Comments(0)リーフ

2014年03月07日

・Leaf SpyのGIDs その1

Leaf Spyを使うリーフユーザーが増えているようです。
使い始めて一番最初に気になるのがGIDsという単位。
ほとんどの人が何の事だかわからずに、でも目立って表示されるから無視することもできない。

日本語しか読み書きできない純日本人の私が得られた範囲で分かったことを書きます。

GIDsはバッテリーのエネルギーレベルを表す単位です。
リーフの車内で使われている数値のようです。
意味するところは、バッテリーの蓄電量Whを80で割った数がGIDsの単位で表される。

出荷時の完調なバッテリーは281GIDs。(一説には282)
281×80=22.48kWhということになる。

ところが、Leaf Spyのデフォルトは80じゃなくて77.5です。
一方で、アプリストアの画像は80でremainが計算されている。(167×80=13,360Wh)


※画像出典Googleplay:Leaf Spy Pro

80でremainを計算すると200Vで普通充電したバッテリー容量の推移とほぼ一致します。
急速充電器の表示だと80でも誤差が出るし、77.5だとさらに差が広がるようです。
77.5がなぜデフォルトなのか?まだ未解明です。  
Posted by komachan at 09:28Comments(0)リーフ

2014年03月03日

・充電は80%が寿命長持ち

すでにご存じの方も多いと思いますが、最近乗り出された方のために、充電率がバッテリーの寿命にどの程度影響があるのか投稿します。

EVのバッテリーに主に用いられているリチウムイオンバッテリーは、充電方法により劣化の経過が異なります。
視覚的に最もわかりやすいのが下図だと思います。
20度の環境下において、100%充電と80%充電で容量維持率が50%になるまで充放電を繰り返すと、80%充電の場合は100%充電の1.5倍の回数になります。
※容量維持率とは、初期容量に対する再測定時の容量比

グラフの勾配を見れば一目瞭然ですが、100%充電の方が急激に劣化が進みます。
これは200Vの普通充電の場合だと思われます。
急速充電に関するデータが見つからないので、ご存じの方がいたら教えてください。


  
Posted by komachan at 20:11Comments(0)リーフ

2014年02月20日

・バッテリーを消費しないタイマーエアコンの使い方


リーフにはタイマーエアコンという便利な機能がありますが、気温が低いとメインバッテリーの電力をかなり消費してしまう場合がある。
あれこれバッテリーの消費が少なくなる方法を試してしますが、現時点での最善は下記の通り。

1.スマホまたはPCからエアコンをタイマー予約する。
2.エアコンの始動時刻5分前にスマホまたはPCから充電を開始する。

この方法だと、エアコンを停止した時のバッテリーの消費はほとんどありません。


今朝(気温:氷点下9度)の実験では、

《昨夜》
・エアコンをAM7:00にタイマー予約(スマホ)
・バッテリーの充電状態 15.5kWh、200GIDs 

《今朝》
・AM6:55 充電開始(スマホ)
・AM7:00 エアコン起動(タイマー)
・AM7:11 充電、エアコン停止(走行)
・エアコン停止時の状態 15.4kWh、199GIDs

気温が低かったので10分間ほどでは車内が十分に暖かくなっていませんが、時間を長くすれば解決します。
初期の10分程度でヒーターの初期加熱(4kW)はできているので、時間を長くしてもケーブルからの電力(2.8kW)の範囲に収まり、バッテリーからの消費はほとんどないと考えられます。

車体のタイマーエアコンを使えば毎朝のスマホからの操作は不要ですが、数キロワットもバッテリーから消費してしまうので航続距離が短くなってしまいます。
その結果として、充電回数も増えてしまう。

短時間の充電がバッテリーに与える影響は回生ブレーキ充電と同程度でほとんど無視できると思いますが、念のために日産に確認しています。

バッテリーを消費せずにタイマーエアコンを設定できるように日産にはお願いしていますが、既存車に反映される見込みは低いので、寒さが厳しい間はひと手間かけてバッテリーを効率よく使いたいと思います。
  
Posted by komachan at 09:42Comments(0)リーフ