2010年01月23日
・ガスコンロの低温炭化火災を防ぐ

通常、木材が燃え始めるのは450℃ほどの温度に達した時です。
ところが炭化は100-150℃で始まると言われています。
我が家のコンロはセンサー付きに取り換えて安全性は高まりましたが、壁の内部の低温炭化火災の危険性が気になっていた。
右の写真は、コンロの熱で防熱板のステンレスが変色した様子。
放射温度計を使って危険性を検証してみました。
試験条件は、
・底の平らな鍋(直径27cm)に1cmの深さに水を入れて強力側バーナーに乗せる。
・バーナーの中心から135mm(壁までの距離に相当)離して鉄板を置く。
・強火で水が沸騰した時点の鉄板の温度を計測する。
結果は最も温度の高い場所で159℃でした。
ステンレス防熱板の向こう側の木材は、十分に低温炭化する危険性がある。
すぐに対策しました。

アルミ板の縁を1cm折り曲げた簡単な増設遮熱板です。
これを上記の実験の鉄板とバーナーの間に置いて再実験してみました。
結果、鉄板の温度は27℃!
劇的に温度が下がります。
アルミは熱反射率が大きいので、強力な炎から発せられる輻射熱を跳ね返す性質がある。
加えて1cmの空気層を空気が通り抜けるので熱を奪ってくれる。
コンロの安全基準では壁との離隔距離を150mmと定められていますが、取れないときには防熱板を取り付けるとある。
でも、防熱板が壁にベタに張り付けてあるのでは意味がない。
今回、実験してみて火災になる危険性が極めて高かいことがわかった。
コンロと壁の離隔距離と、遮熱板(防熱板)の性能に関心を持つことは大事ですね。