2010年01月11日

・超省エネルギー住宅セミナーに参加して

新築される住宅の多くは、省エネ性能が低いという事実を知りました。

一部にすぎない次世代省エネ住宅と銘打ったものを除いて、ほとんどの住宅が16年も前の「新エネルギー基準」をやっとクリアしているだけ。

本日開催された「超省エネルギー住宅セミナー」での話の中にありました。

昨日、現場見学会で目にしたぞんざいな新築そっくりの住宅リフォームが特別ではないということになる。


現在の省エネルギー住宅の基準は、平成11年にできた「次世代省エネルギー基準」。

しかし、あくまでも努力目標なので、守っていない粗製乱造住宅がどんどん提供されている。

施主に断熱に対する理解がないのが一因ではあるが、建築業者の社会的な責任感の欠如が根本にあると思う。


新築するなら超省エネルギー住宅は検討に値するだろうが、環境負荷を与えているのは圧倒的に多く建てられている低省エネルギー住宅だ。

本日のセミナーの質問コーナーでも、これらの省エネルギー性の低い住宅のリフォームが重大事であることが述べられた。

100棟の家があるとすれば、1年間に建て替えられるのは2~3棟。

残りの97~98棟を省エネ化しなければ効果がないのは明白だ。

だから断熱リフォームセミナーを官民協力して盛大に広める必要を感じる。


そこで課題になるのがリフォーム費用だ。

業者に依頼すれば効果に見合った代金を請求されるし、優れた業者を選べなければ無駄に高価なリフォーム代金をむしり取られる。

日曜大工で手軽に安価に断熱リフォームできる環境があれば、もっと住宅の省エネは普及するのではないか。


窓にプチプチシートを貼り付けるなどの子供だましではなく、高い効果が得られてなお、効果が持続し続ける簡便な断熱リフォーム術。

地域ごとに住宅のタイプは集約できるはず。

住宅のタイプごとに、ホームセンターで手軽に入手できる材料を使って、安価に効果的に断熱できるノウハウを紹介するwebサイトを環境省あたりが主導して作るべきだ。


ホームセンターが主体となって取り組んでも面白いかもしれない。

地球温暖化防止に興味がなかったり、温暖化に懐疑的な人でも、自宅が暖かく快適になるのなら食指を伸ばすはずだ。


レジ袋削減やプルタブ回収といった『労多くして功少なし』にかける熱意と労力を減らして、『功多し』省エネ住宅リフォームに力を振り向けるように識者は声を大にして言ってもらいたい。

巷にまん延する「手軽な温暖化防止対策」の偽善に警鐘を鳴らす必要性を感じます。

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Posted by komachan at 18:13│Comments(4)リフォーム
この記事へのコメント
始めまして、ケンタと申します。
断熱の記事は私が思っていることを仰っているので、頷きながら読みました。
大手メーカーと言ってもいい加減ですね。

私の体験が載っていますので、よかったら読んでみて下さい。

http://unohideoblog.seesaa.net/article/79848426.html
Posted by ケンタ at 2010年01月12日 16:43
知る人ぞ知る住宅設備の低レベルの話ですが、一般の消費者はほとんど知る機会がありませんね。
ビル空調の世界なら昔から常識だったことが、一般住宅では先進技術として今頃宣伝に使われたりして。
住宅メーカーの技術力不足は、日本のエネルギー政策にとって重大な足かせになっていると思います。
消費者が賢くなって、稚拙な住宅を淘汰するくらいの勢いを持たないとだめかもしれませんから、みなさんの情報発信が大事だと思います。
Posted by komachankomachan at 2010年01月14日 09:47
断熱リフォームは参考になることが多く、面白く読ませて頂きました。

ところで、本日の駒ヶ根市の最低気温はマイナス6度でしたが、komachanさんの洗面所の室温はどのくらいでしたでしょうか?

当方は大阪の東ですが、マイナス1度で、洗面所は8度ぐらいでした。
縁側(窓がも樹脂内窓をつけていますが、8度ぐらいで同様です。
あと1~2度ぐらい改善出来ないかと思案中です。
Posted by ケンタ at 2010年01月14日 14:32
現在の外気温も氷点下6度です。
洗面所の温度計は9.8℃の71%を表示しています。
家族が皆、風呂に入った後なので湿度は高いですが、なんとか結露はしてません。
露点温度が4.8℃のところで、計算では窓の表面温度は5.3℃と見込んでいるので実態と合っているようです。

ちなみに洗面所の窓は外側から、中空ポリカを網戸のレールにはめ込み(非密閉空気層)、既存のアルミサッシ(気密性低=非密閉空気層)、インプラスの単層ガラスの内窓でK値は2.43と想定しています。
気密性を高める処置をすればK値が1.7くらいまで行くと思いますが、なかなか手が回りません。
壁はグラスウール10K100mmですが、既存の貫に押し込んでいるので実厚85mmとしてK値は0.54と見込んでいる状態です。

今の状態の洗面所における熱損失(間仕切除く)は、144W(58w/平米)になります。

近々、放射温度計を導入してK値の計算値を検証する(窓や壁体の表面温度で)に取り掛かる予定です。

ケンタさんにお願いですが、こちらのブログは管理人でもコメントを書きこむのに承認が必要で使いにくいので、本家の方にお気に入りを変更してもらえないでしょうか。
http://d.hatena.ne.jp/komachan/
勝手を言って申し訳ありません。
Posted by komachankomachan at 2010年01月14日 23:37
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