2008年08月30日

・自然エネルギーの無駄使い

波長の異なる発光ダイオードの光を使って栽培が始まったリーフレタス=上田市の信大繊維学部内の農場 =信濃毎日新聞=有機栽培の野菜の話題かと思ったら大違い。

有機ELという有機化合物から成る発光ダイオード(LED)の明かりで野菜を育てる技術のことです。

信大繊維学部(上田市)の谷口彬(よし)雄(お)教授(機能高分子学)らの研究グループが、有機EL(エレクトロルミネッセンス)の発光で野菜を水耕栽培できるコンテナの実用化に向けて、本格的な試験栽培に取り組んでいる。実用化されれば国内で初めてになるという。谷口教授は「土地や気候条件に左右されずに栽培できるため、日本の食料自給率向上や世界的な食料不足対策にも貢献したい」と話し、来年度以降、早期の実用化を目指す。


『食料自給率向上や世界的な食料不足対策にも貢献』というところがひっかる。

工場で野菜を生産することが食料自給率の向上に結びつくのかは、かなり疑問です。

太陽光発電で得られた電力をエネルギー源として利用していくつもりのようですが、工場の建設から生産設備、運転管理に至る多量の資源やエネルギーの消費に見合うだけの野菜の供給力が得られるのかな。


かなり昔、石油で肉を作る技術というのが話題になったことがありますが、本質的には共通するものがあるような気がします。

自然の摂理に応じていれば無理なく育てられる野菜を、無理に人工的に生産しようとすることに違和感が隠せません。

耕作面積が不足しているなら理解できなくもありませんが、耕作放棄地が各地で問題となっているのにです。


国際的な産業構造の変化に対応しようとする日本の企業活動の一端だと思いますが、地球温暖化防止に逆行する動きです。

露地栽培なら直接太陽の恵みで野菜が得られるののだから、生産に使われる太陽光発電エネルギーは、電力でなければ成り立たない分野に使うべきです。

自然に代替しようとして浪費される自然エネルギーは、温暖化防止を阻害しています。


農業の鉄則は、適地・適作・適量といわれます。

どこでも、何でも、どれだけでも作れる夢のような栽培技術の開発は、技術者の夢であり、企業経済には希望かもしれませんが、自然界から見れば邪道な邪魔者でしかない。

日本の農業が飛躍的に自給率を高めるためには、こういった間違った方向性を正し、輸入資材に頼る畜産などとともに、地に足のついた循環型農業へと変革を進める必要性があると思います。

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Posted by komachan at 08:08│Comments(0)百姓
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