2008年08月24日
・無意味な打ち水から学ぶ

身近なところでは、伊那市役所で22日に行われたようです。
いなまい・ドットコムの見出しに「地球温暖化防止の有効策見つけ出すきっかけに」とありましたが、打ち水が温暖化防止策にならないことはすでに何度も触れてきました。
地球の温暖化を防ぐには、太陽エネルギーの入射を減少させるか、放射を促進させるかのどちらかしかありません。
CO2の削減は、後者を目指しています。
打ち水は、温暖化防止に直接有効な行いではなく、路面の熱を水蒸気として奪い去り、夕方の風を利用して暖められた水蒸気が吹き飛ばされることで、その場の気温を下げる仕組みです。
温度が下がった後の空気が部屋の中に流れ込んで冷涼感を得る、昔ながらの夕涼みの知恵です。
ところが、伊那市の打ち水では、打ち水の基本は無視されています。
伊那市の正午は南の風4メートル。
打ち水した冷風は、庁舎の脇を北側へ吹き抜けてしまい、まったく無意味です。
まさしく、「地球温暖化防止の有効策見つけ出すきっかけ」にするためには、無意味な打ち水に終わってしまっていることを認識し、意味のある打ち水とするための反省として生かすことです。
伊那市の職員も多数このブログの読者ですからヒントを差し上げましょう。
正午に打ち水するなら屋上にすると良いです。
議会関連の諸室が冷房されているなら2階の屋上にある屋根が効果的。
気化熱で屋上が冷却されることで正午過ぎに最大となる日射熱エネルギーが和らげられ、夕方頃の天井の冷房負荷を軽減できることになります。
温暖化防止を効果的にするためには、熱エネルギーの変化がもたらす効果を把握する知識が必要です。
駐車場の気温を2度下げて喜んでいるようでは、温暖化防止に対する無知をさらけ出していることになり、市民に温暖化防止を呼びかける資格がありません。
ついでにもう一つ。
打ち水最中の風を部屋に入れるのは、高エンタルピーの水蒸気を取り入れることになり、冷房負荷が増大する愚行ですよ。(写真を見ると窓が開いている)
窓を開けるタイミングも大切ですから、しっかり勉強してください。