2008年11月12日
・温暖化防止を先送りする長野県

昨日の省エネ講座の報告です。
『地球にも家計にもやさしいくらしを』と題して、消費生活アドバイザーの宮下真知子さんが講演されました。
地球温暖化の概要と省エネポイントの解説が主題でした。
会場には、消費者の会のメンバーが多く来ていたようです。
男性の姿はほんの僅かで、ほとんどがお若くない女性の方々。
話の内容もそれに応じて、わかりやすく、なじみやすく、に配慮されていたと思います。
それだけに、地球温暖化の切迫感は、ほとんど触れられませんでした。
肩の力を抜いて、できることからひとつずつ、「家庭の省エネルギーに少し目を向けましょう」で終わってしまいました。
講演会の終了後、講師の宮下さんと少しお話をしました。
温暖化の危機感を伝えられないことのもどかしさを本人も感じていたようです。
しかし、それは講師の力不足から来ているのではなく、長野県の方針だというのですから根が深い。
長野県では、村井知事の下、地球温暖化防止にはきわめて消極的です。
産業に負担を掛ける政策を忌み嫌う自民党体質が滲み出ているからです。
直近に改定された『長野県地球温暖化防止県民計画』も、中身は骨抜きです。
策定した委員に直接聞いたのですが、「厳しいものにしたくても誰も実行してくれないから、効果がなくてもできることを並べるしかない」のだそうです。
防止計画に効果が見込めないので、森林の吸収を過大に見積もって帳尻を合わせる。
されにこれを口実に、森林税を巻き上げて無駄な公共投資にばら撒く。
村井知事は政策よりも、金をいかに動かすかを期待されて知事なった人ですから、期待通りの活躍をされています。
さて、講演会後の立ち話で話題として取り上げたのが『先送りで生じる過大な負担』です。
長野県民は、今20%の削減に取り組めばこれを維持することで2012年のマイナス6%を達成できます。
しかし、今やらないとやらなかった分が先送りされて、来年からやったとすると25%の削減。
さらにもう一年先送りすると33%の削減が求められてしまいます。
村井知事は一期しかやらないつもりだから、退任後に温暖化対策が破綻しても知らん振りでしょうが、県民の暮らしは混乱を極めます。
「すぐにやったほうが楽ですよ。先送りすると大変なことが待っています」と、県民に伝えるのが県の役目のはずです。
率先して先送りさせようとする長野県の行政責任者たちは、自己保身が過ぎる。