2015年01月25日

インテリジェントキー電池交換不要


インテリジェントキーの電池を交換する必要がないのに、交換してしまっているケースがある。
電池と電極の接触不良を電池の消耗と誤解している場合です。


電池交換不要の場合も、作業は電池交換とほぼ同じ。
揃える道具類は画像の通り。
・開けるためのマイナスドライバー
・接触不良を改善するための接点復活剤
・ティッシュと綿棒


マイナスドライバーを差し込んで二つ割にするのだが、差し込み過ぎると基盤を痛めるので注意。



ここからは素手で金属に触れないように注意する。



電池は電圧を測定して低下していれば交換するが、規定以上あれば使い続ける。
指先で触れた油脂などの表面酸化を促進する付着物をティッシュできれいにふき取る。



接点復活剤を滲みこませた綿棒で電池と接点になる電極を清掃する。
ヤスリやドライバーなどでこすると表面のメッキがはがれて酸化しやすくなってしまうから逆効果。

インテリジェントキーの電池交換は車検の間隔よりも短くなることは稀だから、電池交換のサインが思いのほか早く訪れたら接触不良を疑ってみることをお勧めします。  
Posted by komachan at 09:58Comments(0)リーフ

2015年01月24日

リチウムイオンバッテリーは14℃超で劣化

関東一周千キロの旅でリーフのバッテリーに関する新たな発見がありました。
走行用のリチウムイオンバッテリーは劣化に温度特性がある。


※縦軸(左):電池温度℃、縦軸(右):Hx、横軸:走行距離km

グラフ内の桃色は電池温度概ね14℃以下の領域です。
Hx(バッテリーの健全性)が全く変化しません。
概ね14℃を超えると劣化(一部で再生)します。

昨年の経験から、冬の間はバッテリーの劣化が止まると判っています。
しかし詳細なデーターを記録していなかったので、しきい値が明確になっていませんでした。
今回、寒さの厳しい信州から温暖な房総まで足を伸ばしたことで、電池温度と劣化に関するデーターを得られました。

リーフのリチウムイオンバッテリーが劣化する条件は、
●電池温度が概ね14℃を超え、かつSOCが40%を超える
に限られています。

信州の冬は、昼間の気温が10℃を超えることはほとんどないので、日常ではリーフの電池温度も14℃以下です。
このために劣化が止まっていました。

しかし、温暖な関東へロングドライブに出かけたことで劣化域に入ってしまい、一気に劣化が進行しました。
「寒いから暖かいところへ出かけよう」はリーフにとっては良くなかったようです。

なぜ、このような劣化特性になっているのか不明ですが、化学的な劣化でないことは、走り方を変えると再生現象に移行することから明らかだと思います。
組電池の制御上の障害だと考えています。
MC前のリーフで劣化が早く、MC後では比較的緩やかなのは、組電池制御が改善されたからではないでしょうか。

経年変化による化学的な劣化は受け入れますが、制御の優越による見かけ上の劣化はメーカーの責務として改善に前向きになって、サービスキャンペーンの一つとして欲しいと思います。  
Posted by komachan at 10:49Comments(0)リーフ

2015年01月23日

PTCヒーターホースの断熱 (完結編)

前記事はこちら↓
ヒーターホースの断熱 (上部編)

ボンネットを開けて作業できる範囲はすでに施工済みなので、今回はアンダーカバーを外して作業に取り掛かる。


測定したところPTCヒーターの本体からの熱ロスは微量だと判断し、ホースのみ断熱加工する。
ホームセンターで1mの水道管用保温パイプを購入し、70cmを使用した。
複雑に曲がりくねって保温材が密着しないため、さらに3mm厚の保温テープでグルグル巻きにする。


試運転したところ、リザーバータンクキャップが熱くなっていたので、ここからの熱ロスが相当あることを確認。
保温テープでカバーを製作して取り付ける。
もちろん取り外し可能。


アンダーカーバーを元通りに取り付ける際にネジ穴の状態が悪く、外す前から舐めているものもあった。
組み立て時の不具合と、経年劣化によるものだろう。
無理をするとさらにボルトがダメになるので、すべてのネジ穴にタップを立ててネジ山を切り直す。


すべての断熱作業が終わったことで熱ロスは60%以上削減できる。(外気温マイナス5℃の条件下)
ただし、元の熱ロスが200W程度なので、PTCヒーターの消費電力全体への削減効果は微々たるものに過ぎない。

断熱による省エネは、こうした微々たる効果を積み上げて山にする地道な作業です。  
Posted by komachan at 09:56Comments(0)リーフ

2015年01月07日

EV消費電力シミュレーター 低温時の急速充電器に対応バージョン

冬のEVドライブは条件が厳しい。
急速充電器は時間の経過とともにどんどん充電量が減って、暑い時期の半分も充電できないことがあります。

急速充電器を長時間占拠しなければ安心できるバッテリー残量にならず時間の無駄です。
充電時間を短縮すれば充電効率の低下をある程度は防止できるが、少ない充電量を的確に使いこなすにはリーフが提供する情報では心細い。

そこで、シミュレーターの性能を向上させました。
主な変更点は下記の通り。

1.気温が低い状況では、5分刻みで充電量を設定できる
2.前区間のバッテリー残量に急速充電量を加えてバッテリー電力量を算出する

この変更によって、必要にして十分な充電量を得られる最適な充電時間を設定できるようになりました。
今週末から出かける関東一周千キロの旅で試算した結果が↓です。



満充電にする自宅と三泊目のホテルまでは、すべての充電スポットで前区間の残量に急速充電した電力量を加算して連動します。
昼食を兼ねる充電スポットは基本30分ですが、それ以外は最短になるように5分刻みで充電時間を調整して、残量が4kWhを目安に設定します。

充電時間を短縮するための目安が与えられない一般的なリーフで同じルートを走行すれば、全体として数時間の充電時間の違いが出ると思われます。
深夜早朝でも走り続けることを苦にしない人には問題にならないかもしれませんが、日が暮れたら宿に入ってのんびり旅していると、こうして得られる数時間はとても貴重です。

《特徴》
・長期予報の気温を反映させていますが、予報が変わるようなら前日や直前に車内でPCを操作して充電時間(量)を調整することができる。
・おかわり充電が必要な状況も事前に察知できる。
・日差しで車内が暖まれば室温の設定を下げて、さらに一回当たりの充電時間を短縮して、充電効率の良い15~20分充電を繰り返すことができる。

《課題》
・気温とバッテリー温度、時間当たりの充電量のデーター蓄積が十分ではないので、まだまだ精度が高いとは言えません。
・充電回数が増えると充電待ちのリスクも高まるかもしれませんが、冬に遠出するリーフは少なくなるので影響はあまりないと考えています。

今回の関東千キロの旅では、二千メートル級の積雪地から温暖な都市部まで様々な道路状況を走るので、シミュレーターの検証には好適だと考えています。  
Posted by komachan at 07:39Comments(0)リーフ

2014年12月31日

ウォッシャー液の吹き出しスペース確保

リーフのウォッシャー液はワイパーとボンネットのわずかな隙間を狙って吹き出すから、ノズルの角度がわずかにぶれただけでどちらかに当たってしまう。

ボンネットが何らかの原因で数ミリ下がったのかノズルの位置がずれたようで、ウォッシャー液がボンネットに当たってフロントガラスまで届かなくなりました。


ディーラーでは対応できなかったのでDIYしました。
ノズルの位置でボンネットを3ミリ持ち上げれば当たらないことを確認して、スペーサーを作りました。

素材は加工性を優先して木材とし、樹種は軽くて腐りにくい杉の赤身を使い、つや消しブラックで塗装しました。
排水性を考慮して下部を切り欠いてあります。

固定は強力両面テープです。


ボンネットに当たらなくなり、今までよりも上向きにして最適な角度で飛ばすことができるようになりました。  
Posted by komachan at 08:41Comments(0)リーフ

2014年12月30日

呼吸するとバッテリ消費が増える

リーフの消費電力を抑えるために、暖房負荷となっている要因を洗い出しています。
今回は湿度です。

湿度は暖房負荷の隠れた主役です。
除湿には、驚くほど電力を使うからです。

一例として、外気温マイナス5℃の環境で二名乗車した場合を想定します。
・車内温湿度20℃50%で水分量は0.0072kg/kg(DA)
・外気温湿度-5℃50%で水分量は0.0011kg/kg(DA)
・体重60kgの人が一時間あたりに排出する水分量は50ml
ここから必要な換気量は13.7m3/hとなり、外気導入による熱損失は約0.5kWhになります。

二人が発する水分を換気によって除去するために約0.5kWhもの電力を消費します。
4人乗車なら約1kWhです。

雪が付いたままの靴で車に乗り込むとフロアマットが濡れ、ここから水分が蒸発して除湿負荷が増加します。
湿った傘などの荷物も除湿負荷を増大させる要因になります。

車の中を常に乾燥させておくことがヒーターの消費電力を削減するために必要です。

《対策》
1.気温が氷点下になると外気導入による除湿効率が低下するから、内気循環でA/Cとヒーターを併用した方が省エネになる可能性がある。
2.外気導入で除湿するには再加熱の必要がありエネルギー効率が悪いので、デシカント方式の除湿器を使った方が電力消費量としては少なくなる可能性がある。
  
Posted by komachan at 09:24Comments(0)リーフ

2014年12月25日

冬の経済速度 時間編

前回は、速度の変化が消費電力にどのように影響するかを考察しました。
「冬の経済速度 消費電力編」
引き続いて、時間への影響を考察してみます。

速度が上がって、所要時間が減る要因は、
(1)走行時間
理由:あらためて言うまでもないですね。

速度が上がって、所要時間が増える要因は、
(2)充電時間
理由:消費電力が増加した分の充電時間が増える
(3)充電回数
理由:消費電力が増加してこまめに充電する必要が生じる

試算の条件は、駒ヶ根市の自宅を100%充電で出発して、敦賀IC付近の日産まで高速道路を走行した場合を想定する。
室温:25℃、外気温0℃、積載重量:200kg、スタッドレスタイヤ

・充電待ちが全くない幸運な条件

時速90キロと時速100キロが最も短時間で、時速80キロは14分差になった。

・充電待ちが二回につき一回の割合で生じる条件

中央高速道路の実際の充電待ち状況からすると、妥当な条件です。
充電待ちが無い場合と同様に時速90キロが最も優位で、時速80キロと時速100キロが14~15分差で並びます。

《考察》
冬期に中央高速道路を利用して敦賀へ向かう場合は、平均時速90キロで走行する条件が最も所要時間を短縮できる可能性が高いことが判る。
しかし、尾張一宮と長浜の区間を時速90キロで走行すると余裕がなく、悪天候になりやすい岐阜を通過することを考慮するとリスクが生じるから、この区間は若干速度を落とした方が良いだろう。

一方で、バッテリー残量に余裕がある区間では速度を上げて時間短縮が可能だ。
予め区間消費電力が判っていれば最適な速度を求めることができるので、区間ごとに設定時速を変えることが得策になる。

最適な区間速度に設定した場合の所要時間は二回に一回の充電待ちを想定しても302分で、平均時速90キロで走るよりも14分短縮できる。

尾張一宮と長浜間のみ時速85キロで走行し、他の区間は時速100キロで走行する条件が最短所要時間となった。
単純に省エネ速度の時速80キロで走る場合や、流れに乗って時速100キロで急いでいるつもりよりも約30分も早く到着できる。

賢くドライブ計画を立てることで無駄な時間を短縮して、その時間をのんびりと観光に使った方が楽しい旅になりますね。


《詳細な試算条件》
・30分で充電量が11kWhになるとした。
・一回の充電で立ち寄るための時間や充電操作のための時間は10分とした。
・速度の違いによるバッテリー温度への影響は除外した。(これができれば試算精度がさらに向上する)

※計算表内の数字は、左:GIDs、中:時間、右:消費電力の順。  
Posted by komachan at 08:21Comments(0)リーフ

2014年12月24日

冬の経済速度 消費電力編

走行速度が低い=遅いほど燃費(電費)が良いのは当然ですが、冬のEVだと同じ距離なら早く通過した方がエアコンの消費電力が少なくなる。
どのくらいの速度で走るのが効率的なのだろうかと疑問に思い試算しました。

速度が上がって、消費電力が減る要因は、
(1)エアコン
理由:通過時間が短くなるからエアコンを使う時間が減る。

速度が上がって、消費電力が増える要因は、
(2)空気抵抗
理由:速度の二乗に比例して増加する。
(3)寒くなる
一般には知られていないが、速度が上がると寒くなる。
理由は、速度が上がると車体表面の熱伝導が増し、外部に逃げる熱が増えてしまうからです。

起伏の少ない高速道を80km走行した場合の比較です。
※試算条件:初期型リーフ、スタッドレスタイヤ、積載重量150kg、気温-5℃、室温25℃
時速70キロ 12.0kWh、電費:6.6
時速90キロ 14.0kWh、電費:5.7
時速110キロ 16.7kWh、電費:4.8

時速70キロと110キロでは4.6kWhの差が生じます。
ゆっくり走ったほうが消費電力が少なくなりました。

ちなみに時速70キロと110キロでエアコンの消費電力の差は0.3kWhです。
(1)の要因でエアコンの消費電力が減っても、(3)の要因で外部に逃げる熱が増えてほとんど相殺してしまうことが判ります。

同じ条件の道路を最も消費電力が少なく経済的に走れる速度を計算したら、時速35キロでした。(消費電力10.5kWh、電費7.7)
時速35キロよりも遅いとエアコンの消費電力増が走行抵抗の変化量を上回って電費が低下してしまいます。
一方で、エアコンの消費電力は時速110キロに比べて0.8kWhも多くなっていますが、走行抵抗の変化量の一割程度です。

冬のドライブでも、のんびりゆっくり走ったほうが経済的だということが判りました。  
Posted by komachan at 08:01Comments(0)リーフ

2014年12月22日

エアコンを使いこなす6 断熱

走行用のバッテリーから暖房のエネルギーを得るEVは、省エネと断熱が緊密に関係します。
しかし、現状のリーフの車体は、ガソリン車と同等の断熱性しかありません。
ガソリン車は、エンジンから大量の排熱を利用できるので断熱という概念が欠落していますが、EVも同じ発想で作られてしまったことが残念です。

EVユーザーの省エネ走行への工夫は、ともすれば12Vバッテリーを電源とする補助暖房機器に偏ってしまいます。
シートヒーターやひざ掛け程度ならまだしも、USB電源スリッパや足元ヒーターなどは危険です。
EV情報交換のSNSでも、こうした危険な「エセ省エネ」を見かけますが、絶対に真似しないようにしたいですね。

こうした危険な行為は、効率的な暖房の基本に対する無知から生じていると思います。
「寒ければ、温める」という、一見すると当然な思考が間違いの元です。
「寒ければ、寒さの元を断つ」が基本です。

1)車内の低温部位を特定する
2)低温になる熱漏えいの原因を探る
3)熱漏えいを防止する方策を考える
4)防止する方策に用いる低コストで高効果の部材を選定する
5)適切に施工する
6)効果を検証する
この一連の方策を繰り返すことで、無駄なエネルギーの消費を抑えることができます。

ひとつの方策として、すきま風と断熱不足の改善があります。
特にドアとボディーの接触部位には、熱漏えいスポットが存在しています。

簡単にできて効果が高い方策を紹介しています。
ドアのすき間風防止  
Posted by komachan at 10:18Comments(0)リーフ

2014年12月11日

燃費(電費)を決める要因 2.車内機器の節電 2)停止中のクリープ現象

信号で停止した時の節電方法です。

ブレーキを踏んで停止した時の消費電力。
モーターは12.6kWの出力を維持したままです。


モーター出力をゼロにした状態。


ゼロにする方法は、
1)停止したところでセレクトレバーを操作してシフトポジションをニュートラルにする。
2)セレクトレバーを操作してシフトポジションをDまたはECOにする。
の順です。

信号で停止したままだと電力を消費しますが、一度ニュートラルを経るとシフトポジションがDでも電力消費が無くなります。
Leafspyの表示によると0.9-0.7=0.2kWの違いです。

短時間の観察なので、長時間に及ぶ時の挙動は確認していません。
このままだとすると長い信号待ちや渋滞の時に威力を発揮すると思いますが、モーターが過熱する恐れもあるので、何らかの制御が働く可能性も考えられます。  
Posted by komachan at 07:10Comments(0)リーフ