2009年05月27日
・農薬空中散布を止める市、続ける市

しかし、松くい虫の被害が広がり、マツタケの生産地に多大な影響を及ぼしています。
このため、長野県内の各地では農薬の空中散布で被害防止に当たっています。
一方で健康被害が深刻化してきました。
佐久総合病院の調査によって健康被害との因果関係が認められた上田市では、空中散布が中止されます。
駒ヶ根市も空中散布を続けていて、その規模は県下で3番目に大きなものです。
健康被害の調査も行わない、ずさんな行政対応にいつもながら杉本市政に落胆させられます。
松くい虫防除に空中散布が一定の効果があるといわれています。
しかし、松くい虫被害を食い止めた事例は聞いたことがない。
被害の広がりを抑える効果はあるが、根本的な解決策ではないからです。
反面、農薬散布によって生物環境は多大な影響を受けます。
松くい虫だけに固執した視野の狭い対応によって、周辺環境では多種多様な生物も大量に死滅させられてしまう。
米や野菜の農法の推移を見れば明らかですが、農薬多用の弊害が農地を疲弊し、生物環境を破壊して作物栽培環境を悪化させてしまった。
現在では減農薬が主流となって、自然環境と共生する農法へとシフトし始めています。
ところが、松くい虫防除は森林組合や農薬会社のドル箱であるだけに、見直しが一向に進みません。
積極的に代替策を調査研究する姿勢に踏み切らない裏には、こういった利権が絡んでいるからです。
駒ヶ根市が空中散布の見直しに消極的な背景にも、こうした利権の影が疑われます。
全国的に空中散布ができなくなるまでは独自に判断する必要はない、というのが駒ヶ根市の考え方です。
横並び、前例踏襲主義。
お役所仕事の典型です。
杉本市長らしいと言ってしまえばそれまでですが、批判から逃げ回るだけではなくて受け止める懐の深さを身に着けてもらいたいと思います。