2007年08月02日
・結果責任をとらない無責任の蔓延


●引退して当然だろう
大相撲の横綱朝青龍がけがを理由に3日からの夏巡業不参加を申し出ながらモンゴルでサッカーをした問題で、日本相撲協会は1日、東京・両国国技館で理事会を開き、朝青龍を9月の秋場所と11月の九州場所の出場停止、減俸4カ月(30%)、九州場所千秋楽(11月25日)までの謹慎処分とした。
横綱が相撲協会の罰則規定を適用されたのは初めて。
大相撲の看板である横綱に前例のない厳罰を科した理由を、同協会の北の湖理事長(元横綱)は「ファンあっての大相撲だということを重視した」と説明した。
しかし、先々代の前田山が問題行動の責任をとって引退した処分に比べれば、ずいぶんと生ぬるいとの指摘があっても良いはずです。
●裸の王様でも総理大臣でいたい
一方、参院選で安倍首相は、7月1日に行われた民間シンクタンク主催の小沢一郎民主党代表との党首討論会で、今回の参院選の位置付けに関し「私と小沢氏のどちらが首相にふさわしいかについて国民の考えを聞く」と述べ、首相自らが政権選択だとの思いを強調していた。
結果、産経新聞社とFNNの合同世論調査では、この参院選を政権選択選挙と受け止める回答が6割に達した。
にもかかわらず、安倍首相は参院選の結果が確定する前に早々と続投を決めてしまった。
「責任は首相である自分にあるが、政権を維持し改革をすすめることで責任を果たしたい」との理屈はもっともに聞こえるが、選択を有権者に迫った経緯から考えて矛盾だらけであることは明らかです。
最近の日本における企業などの不祥事をみても、トップが結果責任を負うことなく、居座る事例が少なくありません。
記憶に新しいところでは、コムスン問題と日雇い労働者のピンハネで非人道的な経営が発覚したグッドウィルの折口雅博会長が、批判をものともせずに居座り続けてしまいました。
居座り続けて問題解決に尽力するのも一つの禊(みそぎ)かもしれませんが、問題を招いた当事者よりも優れた人材を後任にした方が、よっぽどすばやい解決がはかれるのは当然のことです。
トップに君臨した人物が重大な問題を起こしても結果責任を辞任や引退といった形で示さなくなった今の日本は、諸外国から無責任体質が蔓延していると見られていると、海外の事情に詳しい識者のコメントがTVで紹介されていました。
江戸時代には、結果責任を問われた武士は「切腹」という究極の責任の取り方を示していましたが、善悪は別にしてこの潔さが日本の美学だったはずです。
悪事を働いても居座り続けることが自民党の政治家の美学であり続けたことで、日本の国技までもが潔さを葬り去ってしまったのかもしれませんね。
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2007年08月02日
・村井知事の強権発動で損害賠償

佐久市では、保育園外壁塗装修繕工事をめぐり、不当に高い金額で請け負わせ市に損害を与えたとして、市長や受注業者らに900万円の損害賠償を求める裁判が起こされました。
訴えによると、市は岩村田保育園の外壁塗装修繕工事を佐久市議の井上順喜元社長の経営する井上塗装工業に発注した。
ところが、この際に工事を二分して随意契約となる50万円未満とし、さらに予定価格見積書を作らずに通常の二倍の材料単価で計算した予定価格を設定した。
これによって2000-06年度に同社と市が交わした随意契約59件に当てはめると、800万円以上の損害になります。
また、井上市議は、工事を発注する建設関連部局の課長・係長と無尽を行い、その中には契約検査課長もいます。
●無尽とは→無尽:ウィキペディア
言い換えれば、資金を共有する立場の仲間で、公共事業の発注と受注の役割分担をしていることになります。
市議の兼業違反にとどまらず、公共事業の不正受注の疑いまである「疑惑のデパート」のような井上市議を失職させたのは当然の処分だったと考えられます。
これに対して、県知事としての強権を発動して救済の手を差し伸べた村井知事の見識が疑われます。
この件では、村井知事も不当介入だったとして佐久市議団から提訴されています。
利益団体に君臨する村井知事の悪の側面が暴かれることを期待します。