2011年03月16日

・自衛隊よりも過酷な任務を全うする東電作業員

深刻な事態に陥っている福島原発では、消火のために自衛隊のヘリコプターから散水する非常手段が試行された。

しかし、上空の放射線濃度が規定よりも高いということで、自衛隊機は帰ってしまった。

上空の濃度は伝えられていないが、NHKによると自衛隊員の活動許容濃度は50ミリシーベルトだという。


下記の記事を見て欲しい。

東日本大震災:被ばく線量引き上げ 福島事故対応で

 福島第1原発の事故を受け厚生労働省は15日、同原発で作業にあたる人の被ばく線量の上限について、「100ミリシーベルト」から「250ミリシーベルト」に引き上げることを認めた。官邸から事故対応に必要として要請があり、労働安全衛生法規則の例外として認めた。厚労省によると、国際放射線防護委員会の90年の勧告は「500ミリシーベルトを超えない」と提言しており、これを踏まえた。



民間人である東京電力の作業員は250ミリシーベルトまで危険性を高めて災害への対処に当たらされている。

一方で、高度な危険を任務とする自衛隊員は50ミリシーベルトで撤退する。

この不整合を政府は、しっかりと説明して欲しい。 ⇒ 関連記事 綱渡りの放水作戦 被ばく基準、急きょ変更i


次の記事が、現場の危険な状況を物語っている。

「使命感持って行く」=電力会社社員、福島へ―定年前に自ら志願

時事通信 3月16日(水)

 福島第1原発の事故で、情報提供の遅れなど東京電力の対応に批判が集まる一方、最悪の事態を避けるため、危険を顧みず作業に当たる同社や協力会社の社員もいる。地方の電力会社に勤務する島根県の男性(59)は、定年を半年後に控えながら、志願して応援のため福島へ向かった。
 会社員の娘(27)によると、男性は約40年にわたり原発の運転に従事し、9月に定年退職する予定だった。事故発生を受け、会社が募集した約20人の応援派遣に応じた。
 男性は13日、「今の対応で原発の未来が変わる。使命感を持って行きたい」と家族に告げ、志願したことを明かした。話を聞いた娘は、家ではあまり話さず、頼りなく感じることもある父を誇りに思い、涙が出そうになったという。
 東京電力側の受け入れ体制が整った15日朝、男性は自宅をたった。特別なことにしたくないと考えた娘は見送りはせず、普段通りに出勤した。「最初は行ってほしくなかったが、もし何かあっても、自分で決めたことなら悔いはないと思った」と話し、無事の帰宅を祈る。



最後に、事故現場では想像を超える極限の状態で本当に決死の覚悟で事故対応に当たっている状況が伝えられている。

被曝の恐怖、余震…真っ暗な建屋で決死の作業

読売新聞 3月15日(火)配信

 高濃度の放射性物質の放出が続く福島第一原発。放射能汚染の恐怖と闘いながら、決死の作業が続く。

 15日朝に大きな爆発が起きた2号機。

 東電や協力企業の作業員ら800人が水の注入作業を行っていたが、爆発に伴い、「必要最小限」という50人を残し、750人が一時、現場から離れた。被曝(ひばく)を避けるため、放射線量が高くなると作業を中断しなければならない。15日午前、隣接する3号機付近で観測された400ミリ・シーベルトの環境下で作業できる時間は15分が限度。津波による被害で、停電も続く。

 照明がつかないため真っ暗な建屋内で、作業の効率はあがらない。余震が続く中、津波警報で作業の中断を余儀なくされることもある。400ミリ・シーベルトを記録したのは、作業員が携帯する放射線監視装置だった。

 12日午後、高圧になった1号機の格納容器内の蒸気を逃がすための弁が開放された。格納容器に亀裂が入る最悪の事態はまぬがれた。その弁を開ける作業にあたった男性は、100ミリ・シーベルト以上の放射線を浴び、吐き気やだるさを訴えて病院へ搬送された。

 もともと、この作業では、大量の放射線を浴びる危険があった。このため、1号機の構造に詳しいベテラン社員である当直長が作業を担当。「タイベック」と呼ばれる特殊な全身つなぎ服とマスクを身につけ、手早く弁を開けたが、10分超で一般人が1年に浴びてもいい放射線量の100倍にあたる放射線を浴びた。


テレビでは国の御用学者が、これだけの危機にもかかわらず「健康に影響が無いから安全だ」と言い続けている。

青島刑事の決め台詞ではないが、『事故はテレビ局で起きているんじゃない!現場で起きてるんだ!!』


※自衛隊員を危険にさらせという意味に曲解しないように


**関連記事

放水に放射線の壁 ヘリ投入「命がけ」
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110317k0000m040069000c.html


**本日の発電量 56.2kwh
-第一発電所 23.6kwh
-第二発電所 32.7kwh

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Posted by komachan at 20:26Comments(0)安全

2011年03月16日

・東北大震災や福島原発事故への情報発信

東北を襲った大地震に追い討ちをかける福島原発の事故において、被害に遭われました皆様方に心よりお見舞い申し上げます。

また、被災各地において懸命な救助、復興に携わっている国内外の方々に対して、心からお礼を申し上げるとともに、ご自身の身の安全を十分に図って頂ければと願っております。


私事ですが、海岸線の被災地のすべてを訪れたことがあります。

20年ほど前になりますが、今回の被災地である茨城以北の地をオートバイでツーリングしました。

テントで野営しながら地元の人たちと触れ合いながら、海岸線のすべての市町村を巡りました。

その思い出の地が惨憺たる状況に陥ってしまったことに心を痛めています。


地震の話題を取り上げてから、複数の読者から批判は控えたらどうかというご意見をいただいています。

国民に求められるのは政府を応援することであって、ブログもバックアップをして欲しいというご指摘です。

被災者の皆さんへのご支援はいくらあっても足りないくらいだと思いますし、関係者の苦労は遠くで眺めているものには、ほとんど分からない状況だと思います。


国民の一人一人が「自分の出来ること」を一生懸命やることが災害に遭われている方々への支援には必要だと思います。

自分に出来ることを考えたときに、ブログの特色である情報収集力を生かし、辛口の指摘で問題点の是正を促すことは有効ではないかと考えています。

生活の面では、得意分野のエネルギー削減にさらに努力し、被災地に提供されるエネルギーが増えることを期待して努力しています。


昨日、独立型太陽光発電に新たにインバーターを増設して、中部電力から供給される電力をさらに削減出来るようにしました。

我が家には、電動自転車や電動バイクが備わっているので、電気を利用することでガソリンの消費量を減らし、結果として被災地で不足するガソリンの供給にわずかでも寄与できるようにとの思いです。

一人で出来ることは限られていますが、同様の試みを多くの国民が取り入れれば、かなりの量のエネルギーを被災地に送り届けられるようになります。


電力が不足する東北電力や東京電力へは直接の貢献はできませんが、昨日の静岡東部地震のように発電所の近くで新たな地震が発生して自分の暮らす地域の電力供給に影響が出ることも考えられます。

そのときに中部電力が東京電力に提供している電力が削減されるようなことがあってはならないとの予防の意義もあります。

住宅の断熱性を高め、エネルギーの効率的利用と自給率を高めたことで、我が家では灯油をまったく使用していませんし、電力も月に1千キロワット以上を供給しています。


仕事の都合で被災地にボランティアに出かけるといった直接的な貢献はできないのですが、支援のために被災地に入ったさまざまな方からマスコミとは違った観点からの情報提供が受けられる環境が整いつつあります。

情報にはいろいろな種類があって、国民を過度に刺激しないために厚いオブラートに包まれた政府が発表する情報や、東電や原子力保安員の混乱した情報などのように、知りたいのに伝わらないものが多いような気がします。

被災者が求めている情報には、楽観的に安心を誘う心温まるものがある一方で、リスクを判断するために悲観的に今後の推移を推量するものもあるはずです。


どらかに偏るのではなく、被災者が必要に応じて選択できるようにさまざまな観点から情報の提供がなされるべきだと思います。

ただし、風評被害を誘発するデマはだめです。

情報を発信する側として難しいのは真偽の判断ですが、明らかな間違いや誹謗中傷に陥らないようにできる限り配慮をしていきたいと思います。


駒ヶ根に想うが今回の震災に際して発信する情報は、厳しいものも出てくると思いますが、上記のように被災地への特別の思い入れが根底にあるので、悪意を持って流すものは無いのだということをご理解いただければ幸いです。  
Posted by komachan at 09:49Comments(0)安全