2011年03月20日

・福島原発から高濃度の放射能飛散の恐れ

福島原発が危険な状況になったようです。

今後、福島第一原発から高濃度の放射性物質が放出される可能性が高くなりました。

第3号機の格納容器の圧力が上昇し、緊急対応が必要になったからです。

原子力保安院が記者会見で明らかにしました。


放射性物質が飛散する危険度よりも、格納容器を守ることの方が優先されると判断したようです。

これまでは、格納容器から蒸気を抜く場合は、サプレッションチェンバで放射線濃度を下げる対策がとられていましたが、今回の緊急対応では無処理で大気中に放出する可能性があります。

福島原発周辺では、高濃度の放射能が飛散する可能性があるので、風向きには注意が必要です。


気象庁によりますと、福島第一原子力発電所の周辺では、現在、海側の南東から陸側の北西に向かって弱い風が吹いているとみられます。

夜には、低気圧の通過に伴って風向きが逆になり、陸側の北西から海側の南東に向かって吹く見込みです。

そして、21日は別の低気圧が接近する影響で、午後から海側の北東から陸側の南西に向かって風が吹く見込みで、21日にかけて風の向きが変わりやすい状態が続く見込みです。


長野県県内でも、今夜から明日にかけて雨が降る予報なので、放射線への被ばくには適切な対応が必要です。

パニックは避けなければなりませんが、被ばくのリスクが高まっていることを冷静に受け止めて、的確な判断と対応に努めましょう。

神風が吹いてくれることを祈るばかりです。


**事態は好転したようです

圧力上昇の3号機格納容器 その後安定、蒸気放出見送り


**事態は好転したようです 15:35更新 

3号機で原子炉の格納容器圧力が上昇 東電が排出作業を検討 放射性物質が流出も

福島第一3号機格納容器、圧力降下策で蒸気放出

福島第一原発付近、南東の風2~5メートル

3号機の格納容器、圧力高まる 蒸気放出へ 福島原発


**本日の発電量 35.1kwh
-第一発電所 15.0kwh
-第二発電所 20.1kwh

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Posted by komachan at 15:01Comments(0)安全

2011年03月20日

・放射能の危険性が低く見せられている 2

恐れていたことが次々と現実になっています。

原発被害地域からの農産物に基準値を大幅に超える放射能が検出されてしまいました。

汚染された農産物が出荷停止になるのは当然ですが、これによって東日本全域の農産物への風評被害に波及しないことが望まれます。


そのためには、国民に対して正確な情報提供が必要です。

ところが、政府の発表は安全を誇張するあまり、客観的な評価を無視して主観的な表現に陥ってしまっています。

放射能に汚染された農産物の『安全性』を表現するために、CTスキャンを安全の指標に誤用してしまっています。

枝野幸男官房長官は19日の記者会見で、福島県内の原乳と茨城県内のホウレンソウ6検体から、食品衛生法の暫定基準値を超える放射性物質が検出されたと発表した。
枝野氏は今回の検出と同量の放射性物質のホウレンソウと牛乳を1年間とった場合の被ばく線量に関し、牛乳がCTスキャン1回分、ホウレンソウが5分の1程度と説明。「ただちに皆さんの健康に影響を及ぼす数値ではない。冷静な対応をお願いしたい」と呼びかけた。


枝野氏はCTスキャンが健康診断に使われるので『安全な被ばく』と勘違いしているようですが、CTスキャンは危険を伴う被ばくリスクを理解してガンを早期発見するための手段です。

 参考記事 ⇒ CTスキャンの被爆量、想定より多かった 数十年後にがん発症リスク

毎日のように口にする一種類の食べ物から、CTスキャン1回分に相当する被ばくを受けるということは、安全どころから相当危険な状況であるわけです。


CTスキャンに代表される放射線検査は、急性期の放射性障害が起こる可能性は皆無だと言われていますが、同時に、数か月 - 数十年後に初めて顕在化してくる悪性腫瘍のリスクの増加、あるいは子孫への遺伝的影響があります。

これらは確率的影響と呼ばれ、そのために放射線検査は必要最小限のみ行い無駄な被曝をし ないようとどめることが原則であるといわれています。

放射線の安全性を誇張するために、胸部X線検査やCTスキャンを比較の対象にすることは逆効果です。


暫定基準値は放射性物質にさらされた食品の出荷制限などを検討するためのもので、東日本大震災に伴う福島第1原発の事故を受けて政府が設定した値です。

その政府が、自ら設定した基準値をないがしろにして主観的な評価基準を使ったら、国民は混乱するし、政府への信頼性も揺るぎます。

暫定基準は、一定の安全率を見ているので健康には影響ないという保守的な専門家もいますが、中立的な専門家の意見では、「今回の検出値は暫定基準の数倍に達しているので、安全とは言い切れない」と述べていました。


福島原発の事故で私たちの生活環境に放出された放射能の影響が大きくなるにつれて、政府やマスコミの発表はどんどん主観的に、あるいは定性的になっています。

本来なら、より客観的に、定量的に分析されなければならいはずです。

日本国民は、真実を突きつけられることを避ける国民性だということでしょうか。

発表する側に原因があるのか、受け入れる側に合わせているのか、問題の本質の所在に困惑するばかりです。


**関連記事

大震災・放射線と食品 正確な情報発信が肝要だ  琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-175023-storytopic-11.html

福島第1原発事故 原乳、ホウレンソウから放射性物質--福島・茨城産
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110320ddm041040122000c.html

いわき市が全15万人に安定ヨウ素剤を配布「高い濃度に備えた」と市長
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110320-00000511-san-soci  
Posted by komachan at 09:37Comments(2)安全