2011年03月20日

・福島原発から高濃度の放射能飛散の恐れ

福島原発が危険な状況になったようです。

今後、福島第一原発から高濃度の放射性物質が放出される可能性が高くなりました。

第3号機の格納容器の圧力が上昇し、緊急対応が必要になったからです。

原子力保安院が記者会見で明らかにしました。


放射性物質が飛散する危険度よりも、格納容器を守ることの方が優先されると判断したようです。

これまでは、格納容器から蒸気を抜く場合は、サプレッションチェンバで放射線濃度を下げる対策がとられていましたが、今回の緊急対応では無処理で大気中に放出する可能性があります。

福島原発周辺では、高濃度の放射能が飛散する可能性があるので、風向きには注意が必要です。


気象庁によりますと、福島第一原子力発電所の周辺では、現在、海側の南東から陸側の北西に向かって弱い風が吹いているとみられます。

夜には、低気圧の通過に伴って風向きが逆になり、陸側の北西から海側の南東に向かって吹く見込みです。

そして、21日は別の低気圧が接近する影響で、午後から海側の北東から陸側の南西に向かって風が吹く見込みで、21日にかけて風の向きが変わりやすい状態が続く見込みです。


長野県県内でも、今夜から明日にかけて雨が降る予報なので、放射線への被ばくには適切な対応が必要です。

パニックは避けなければなりませんが、被ばくのリスクが高まっていることを冷静に受け止めて、的確な判断と対応に努めましょう。

神風が吹いてくれることを祈るばかりです。


**事態は好転したようです

圧力上昇の3号機格納容器 その後安定、蒸気放出見送り


**事態は好転したようです 15:35更新 

3号機で原子炉の格納容器圧力が上昇 東電が排出作業を検討 放射性物質が流出も

福島第一3号機格納容器、圧力降下策で蒸気放出

福島第一原発付近、南東の風2~5メートル

3号機の格納容器、圧力高まる 蒸気放出へ 福島原発


**本日の発電量 35.1kwh
-第一発電所 15.0kwh
-第二発電所 20.1kwh

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Posted by komachan at 15:01Comments(0)安全

2011年03月20日

・放射能の危険性が低く見せられている 2

恐れていたことが次々と現実になっています。

原発被害地域からの農産物に基準値を大幅に超える放射能が検出されてしまいました。

汚染された農産物が出荷停止になるのは当然ですが、これによって東日本全域の農産物への風評被害に波及しないことが望まれます。


そのためには、国民に対して正確な情報提供が必要です。

ところが、政府の発表は安全を誇張するあまり、客観的な評価を無視して主観的な表現に陥ってしまっています。

放射能に汚染された農産物の『安全性』を表現するために、CTスキャンを安全の指標に誤用してしまっています。

枝野幸男官房長官は19日の記者会見で、福島県内の原乳と茨城県内のホウレンソウ6検体から、食品衛生法の暫定基準値を超える放射性物質が検出されたと発表した。
枝野氏は今回の検出と同量の放射性物質のホウレンソウと牛乳を1年間とった場合の被ばく線量に関し、牛乳がCTスキャン1回分、ホウレンソウが5分の1程度と説明。「ただちに皆さんの健康に影響を及ぼす数値ではない。冷静な対応をお願いしたい」と呼びかけた。


枝野氏はCTスキャンが健康診断に使われるので『安全な被ばく』と勘違いしているようですが、CTスキャンは危険を伴う被ばくリスクを理解してガンを早期発見するための手段です。

 参考記事 ⇒ CTスキャンの被爆量、想定より多かった 数十年後にがん発症リスク

毎日のように口にする一種類の食べ物から、CTスキャン1回分に相当する被ばくを受けるということは、安全どころから相当危険な状況であるわけです。


CTスキャンに代表される放射線検査は、急性期の放射性障害が起こる可能性は皆無だと言われていますが、同時に、数か月 - 数十年後に初めて顕在化してくる悪性腫瘍のリスクの増加、あるいは子孫への遺伝的影響があります。

これらは確率的影響と呼ばれ、そのために放射線検査は必要最小限のみ行い無駄な被曝をし ないようとどめることが原則であるといわれています。

放射線の安全性を誇張するために、胸部X線検査やCTスキャンを比較の対象にすることは逆効果です。


暫定基準値は放射性物質にさらされた食品の出荷制限などを検討するためのもので、東日本大震災に伴う福島第1原発の事故を受けて政府が設定した値です。

その政府が、自ら設定した基準値をないがしろにして主観的な評価基準を使ったら、国民は混乱するし、政府への信頼性も揺るぎます。

暫定基準は、一定の安全率を見ているので健康には影響ないという保守的な専門家もいますが、中立的な専門家の意見では、「今回の検出値は暫定基準の数倍に達しているので、安全とは言い切れない」と述べていました。


福島原発の事故で私たちの生活環境に放出された放射能の影響が大きくなるにつれて、政府やマスコミの発表はどんどん主観的に、あるいは定性的になっています。

本来なら、より客観的に、定量的に分析されなければならいはずです。

日本国民は、真実を突きつけられることを避ける国民性だということでしょうか。

発表する側に原因があるのか、受け入れる側に合わせているのか、問題の本質の所在に困惑するばかりです。


**関連記事

大震災・放射線と食品 正確な情報発信が肝要だ  琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-175023-storytopic-11.html

福島第1原発事故 原乳、ホウレンソウから放射性物質--福島・茨城産
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110320ddm041040122000c.html

いわき市が全15万人に安定ヨウ素剤を配布「高い濃度に備えた」と市長
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110320-00000511-san-soci  
Posted by komachan at 09:37Comments(2)安全

2011年03月19日

・春の陽気に誘われて

大地震と大津波、さらに原発事故の三重苦が東日本を襲い、明るい話題に事欠く毎日です。

せめて身の回りの季節の話題でも取り上げて、しばし心和む時間を作りたいと思います。


小梅が咲き始めました。

福寿草も花開き、しばらくすると庭一面を黄色に染めます。

暖かな陽気に誘われるように、来年の暖房に使う薪を積みました。


耐震補強&断熱リフォームを終えた外壁に、薪を積み上げるための枠を取り付けました。

最高で高さ3.5mまで積み上げられるので、積み上げた薪が崩れないように枠でしっかりと支えます。

我が家の女性軍団が総がかりで、野積みしてあった薪をあっという間に積み上げてしまいました。

恐るべし、人海戦術。


せっせと創エネして、被災地に送り届けられる電気や石油が少しでも増えることを願っています。


**本日の発電量 65.1kwh
-第一発電所 28.1kwh
-第二発電所 37kwh

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Posted by komachan at 18:55Comments(0)日常

2011年03月19日

・節電、省エネで東北大震災の被災地支援

東京電力で行われている計画停電に、東京電力以西の地域が節電で協力することは不要だというのは正論です。

しかし、東日本大震災の被災地には節電することで間接的に貢献できます。

支援物資を提供したり、義援金を募金することだけが被災地への支援ではありません。


日本の発電は、3分の2が火力発電です。(右のグラフを参照 クリックで拡大)

日本中で節電すると、確実に石油の消費を抑えられます。

間接的ではありますが、被災地向けの石油の供給に余裕が生じます。


未曾有の大災害からの復興のためには、「電気をガンガン消費して経済を活性化させるのがいい」などという暴論も目にします。

一理あるとしても、想像力が欠乏していると思います。

今は、復興を考えるよりも、目の前にある危機を乗り越えるための一助に徹するべきではないでしょうか。


節電すれば電気代が安くなりますから、削減できた電気代を募金に回すことで「直接支援」になります。

西日本の火力発電所の燃料消費が減れば、原発停止の穴埋めに緊急稼動する東京電力の火力発電所への燃料の供給に余裕が生まれます。

ガソリン不足で身動きがままならず、被災者の救援に困難が生じている災害現場に、少しでも多くの石油を届けることにつながります。


日本全国で節電しましょう。

誰でもできる簡単な被災地支援です。

さらに、原発からの電力供給がなくなる社会を一刻も早く構築するためにも、電力需要の低減は日本国民に課せられた重要な責務になるのですから。


**関連記事

東日本大震災:ガソリンは買わず、被災地に回そう…全国の備蓄は十分  
Posted by komachan at 10:01Comments(0)安全

2011年03月18日

・計画停電に備える独立型太陽光発電

東京電力管内では停電による生活の不便が長期化するようです。

ようやく計画的に停電するようになって来ましたが、予測不能の大停電の可能性もあって、安心して電気を使える状況にはなっていません。

懐中電灯や乾電池を大量に買いだめする動きを誘発して、被災地が必要とする物資を奪ってしまっています。

東京電力の停電が今後も永続することを考えれば、家庭の電力構成を考え直すことも必要ではないでしょうか。


お勧めなのが、12V電源の独立型太陽光発電です。

50w程度の小型の太陽光モジュールをベランダなどに設置して、100Ah程度のバッテリーに充電します。

12vのLED電球なら10個くらいは点灯できるようになります。


12vのよい所は、電気配線の工事に危険が無いばかりか特別な資格も不要です。

もちろん電気を扱うので注意は必要ですが、自動車のバッテリーと同じ取り扱いなので、とっつきやすいという利点があります。

ロウソクによる失火で家を失う危険を考えれば、すぐにでも取り入れてはいかがかと思います。


一例として、我が家の12vシステムは50wの太陽光モジュールと72wの風力発電を組み合わせた『ハイブリッド型独立発電』になっています。

風力発電は費用対効果が極端に低いのでお勧めしませんが、風さえ吹けば夜間でも発電するという特徴があります。

100vに変換すれば通常の家電製品が使えるようになりますが、インバーターは高価なのと、継続的に使用するにはそれなりのノウハウが必要なので緊急事態への備えとしては、さらにステップアップする対象と考えた方がよいと思います。


簡単なシステム構成は次の通りです。

1. 太陽光発電モジュール 12v独立発電用 50w 中古品で1万円くらい

2. バッテリー ディープサイクルバッテリー 100Ah 再生品で2万円くらい

3. 充電コントローラー 定格容量6A 新品で5千円くらい

4. LED電球 12v用 3.5w 4千円くらい


周辺資材を含めても最低限の組み合わせなら5万円くらいでできると思います。


右上の画像の左下に出っ張っているのが50wの太陽光モジュールです。

我が家の独立型発電システムは約600wの出力なので、12v系統とは別に停電しても冷蔵庫やテレビ、半分程度の電灯は使える100v系統も備えています。

ここまでするのは上級者向けになるので、まずは最小のシステム構成でトライしてみてはいかがでしょうか。


**本日の発電量 70.1kwh
-第一発電所 30.7kwh
-第二発電所 39.4kwh
設置後はじめて70kwhの大台を超えました。反面、発電量が多すぎてパワコンの出力を超えている分はカットされてしまうので、システムとしての発電効率は低くなってきました。

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Posted by komachan at 19:01Comments(0)太陽光発電

2011年03月17日

・放射能の危険性が低く見せられている

放射能汚染の被害は人体だけではなく、すべての生物に現れます。

特に、農産物への影響は、内部被ばくとの関係もあって神経質になってくると思います。

日本政府は、かなりすばやい動きを見せています。

           ◇                    ◇

放射能に汚染された飲料水・食品規制へ 厚労省が基準値

2011年3月17日 朝日新聞

 福島第一原子力発電所の事故を受け、厚生労働省は17日、放射能に汚染された食品の出荷や販売を規制する基準値を設け、全国の地方自治体に対し、検査するよう通知した。事故後、原発周辺の環境から放射性物質が検出されたが、食品の放射能汚染について規制する指標がなかった。

 対象となる食品は、飲料水、牛乳、野菜、肉、卵、穀類など。放射性のヨウ素やセシウムなどについて検査する。通知は、全国の自治体を対象にしたもので、対象範囲や品目については限定しなかった。農林水産省や関係自治体と連携し、原発周辺で出荷の多い農産物などを中心に生産段階での監視も進める。

           ◇                    ◇

政府の対応が早いのは良いのですが、あまり大げさにやると被災地の農産物が風評被害を受ける恐れがあります。

民主党政権は福島原発の対応の遅れを見ても分かるとおり、原子力への理解が深いとはいえません。

その一例が、枝野官房長官の記者会見でありました。


枝野幸男官房長官は16日午後の記者会見で、文部科学省が福島第1原発から約20キロ離れた福島県浪江町で実施した調査で高濃度の放射線量が測定されたことについて「直ちに人体に影響を及ぼすような数値ではない。365日24時間、屋外にいたら問題が出るかもしれないレベルだ」と述べたという。

調査では、1時間当たり最大330マイクロシーベルトの放射線量を観測していました。


一般公衆が被ばくを許容できる放射線は一年あたり1ミリシーベルトと定められています。

浪江町で測定された放射線量なら3時間で『年間許容限度』に達します。

官房長官が言うように365日24時間被爆したら2.9シーベルト(ミリでもマイクロでもない)に達します。

被爆した約50%が死亡する値です。


この値をさして「問題が出るかもしれないレベルだ」というのは、揚げ足取りのレベルではないですよね。

官房長官は、日本の原子力行政において国民の健康に問題がないとの定めをご存じないようです。

もし、知っていて無視しているなら、国民への裏切りに値します。


原発事故で国民に過度の動揺を与えないようにとの配慮だったとしても、官房長官の口からデマが発せられては国の発表の信頼性に著しく影響が生じてしまいます。

大本営発表を信頼しなくなります。

国や原子力の専門家たちが自信を持って決めた尺度で危険性を国民に伝える覚悟が求められます。


**本日の発電量 58.7kwh
-第一発電所 25.7kwh
-第二発電所 32.9kwh

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Posted by komachan at 21:54Comments(0)安全

2011年03月17日

・長野県の放射線(放射能)水準



長野県(長野市)の放射線情報です。

3月15日の夜から急激に放射線濃度が上昇しました。

その後は、なだらかに低下していますが、所々で値が高くなるのは降雨の影響があるようです。


放射線濃度が急上昇したのは、福島原発周辺の風が海から陸へ吹いていたために、北信地方へ放射性物質を運んだためと考えられます。

その後は、原発周辺では幸いなことに陸から海に風が吹いているので、長野の放射線濃度が低下していると推察されます。

現場周辺の風向きで各地の被害が変化するので、天気予報には注意が必要だと思います。


一般公衆が受ける放射線の量は1年間で1ミリシーベルト(1000マイクロシーベルト)までと定められています。※1

一時間あたりに換算すると0.114マイクロシーベルトに相当しますが、24時間、365日屋外いることはありえないので、一日に8時間程度屋外で作業される方なら0.5マイクロシーベルトが制限値の目安になります。

現状は、直ちに健康に影響が出る数値ではありませんが、推移に注意が必要です。


南信の状況 3月17日(木) 測定値(μSv/h)

飯 田 市 (飯田合同庁舎) 時間 12時 0.04
伊 那 市 (伊那合同庁舎) 時間 14時 0.03
木 曽 町 (木曽合同庁舎) 時間 15時 0.06


***※1 国際放射線防護委員会(ICRP)が勧告する、一般公衆がこれ以上被ばくしてはいけないという限度

一般公衆の被ばく限度は1年間あたり1mSv です。
人は普通に暮らしていても1年間に平均2.4ミリシーベルトを浴びるが、それに加えて浴びる年間許容限度が1ミリシーベルトです。(医療目的の被曝は含まれない)
ただし、この線量の被ばくが安全だというわけではありません。
「10万人がそれぞれ1mSv 被ばくすると、その中から放射線によるがん死が1人から37人の割合でが発生する」と計算されています。
計算の仕方によってこのように大きな違いがありますが、ICRPでは1万人に0.5人という数字を採用しています。
安易に危険だ安全だと決め付けるのではなく、放射線量とそれによって生じるリスクを的確に判断することが必要です。


**関連記事

・放射能の危険性が低く見せられている

・放射能の危険性が低く見せられている 2  
Posted by komachan at 20:40Comments(0)安全

2011年03月17日

・福島原発事故 放射線の生活基準

福島原発から放射線が全国に飛散していることに東京を中心に不安が広がっている。

国の安全感覚に国民が疑念を抱いているからだ。

さらに混乱しているのは、屋内退避指示が出ている福島原発を中心とした20kmから30kmの地域だ。


屋内で退避しろということで支援物資はもとより、物流などの屋外作業に支障が出ている。

屋内退避地域に支援物資を届けたくないという運転手が出てくるのは心理的には理解できる。

しかし、支援物資が滞留することで生じる生命の危機を考えれば避難地域の指定を見直さなければならない。


この矛盾した事態を打開するのは政府の責任だ。

自治体も連携しなければならない。

福島県のHPにある屋内退避の項目には、『● 屋内に入り、外出しないでください。』と明記されている。

これでは、対象地域への搬入に物流業者が二の足を踏むことになる。


原子力安全技術センターでは屋内退避を下記のように定義している。

●屋内退避
原子力災害発生時に、一般公衆が放射線被ばく及び放射性物質の吸入を低減するため家屋内に退避することをいう。
屋内退避は、通常の生活行動に近いこと、その後の対応指示も含めて広報連絡が容易であるなどの利点があると同時に、建家の有する遮へい効果及び気密性などを考慮すれば防護対策上有効な方法である。特に予測線量が大きくない場合には、住民の動揺、混乱などをもたらすおそれの高い避難措置よりも優先して考えるべきものである。



原発の安全性を過信した原子力防災指針が実態に合わないのであれば、危機管理に即応するために柔軟な対応が求められる。

個人的には、各地の放射線のモニタリング(観測)数値をこまめに発表し、安全基準と照らし合わせてリスクのレベルを国民が判断できるようにしてもらいたい。

安全か危険カの二者択一ではなく、安全性と危険性の幅の中で、それぞれが置かれた状況が判断できる客観的な指標が欲しい。


放射線の安全基準では、放射線業務従事者は、5年間で100ミリシーベルト(年平均20ミリシーベルトに相当)かつ1年間の最大50ミリシーベルトとなっている。

12日午前、福島原発1号機では炉内の圧力が高まり、弁を開いて中の空気を抜いたが、作業は被ばくの恐れで順調にいかず、決死の覚悟で作業に当たった職員がようやく成功させた代償は106・3ミリシーベルトの被ばくだった。

この時点の安全基準の二倍の被ばく線量を受けた職員は、病院に救急搬送された。


15日、福島第1原発で作業にあたる人の被ばく線量の上限について、「100ミリシーベルト」から「250ミリシーベルト」に引き上げられた。

2.5倍に引き上げられたのだが、5年間の積算値あり、かつ一年間の最大はその半分であることが正確に報道されていない。

すなわち一年間には125ミリシーベルトが上限である。

12日に被曝した職員は基準値以下ということになるのだが・・・。


高濃度に汚染された福島原発の作業員は、被ばく線量が基準値に達したら現場を離れなければならない。

次に現場に入れるのは一年後だから、交代要員が必要になる。

福島原発の人員が発表されることがあるが、現在何人で、これまで延べ何人であるかが重要だ。


こうした現実を踏まえて、放射能汚染と安全の確保に対する確かな対応をとるための生活基準の公表が早急に求められていると思う。

**関連記事 朝日新聞

*** 放射線量、10都県で平常時の上限超す 16日夕まで

 文部科学省は16日、同日午前0時から午後5時の間に、全国の都道府県の定点で測定された大気中の放射線量を公表した。茨城県や栃木県などの10都県で、過去の平常時の上限を超えた値が測定された。福島県からはデータが届いていない。15日夕までの段階では埼玉県、千葉県、東京都など1都7県で平常時の上限値を超えていた。それ以後に宮城、山形、長野の各県などが上限値を超え、15日に上限値を超えていた山梨県や静岡県、東京都などで測定値が一時下がるなど値は揺れている。

*** 『米国民へ原発80キロ圏内から退避勧告 米大使館』

 在日米大使館は17日未明、日本に滞在している米国民に対し、福島第一原発の半径80キロ圏内からの避難を勧告した。避難が困難な場合は、屋内に残るようにとしている。

*** 米軍、原発80キロ以内に立ち入り禁止 国防総省

 米国防総省のラパン副報道官は16日、東日本大震災の救援活動にあたる米海軍などの要員に対し、福島第一原発の半径約80キロ以内への立ち入りを禁止したことを明らかにした。「救援活動に際しての米兵の安全を確保するため」としている。国防総省は、航空機を運用する兵士らには、同原発から約112キロ以内に近づく際は、ヨウ素剤を服用することを義務づけた。

*** 在日英市民「東京などから退避検討を」 英外務省

英外務省は16日午後6時(日本時17日午前3時)すぎ、日本にいる英国人に対し、東京と東京の北部からの退避を検討するよう呼びかけた。ジェレミー・ブラウン外務副大臣は英BBCテレビに「福島原発の状態悪化や、食料、交通、通信などインフラが混乱する恐れがある」と説明。日本にとどまる場合はバスや鉄道で西部や南部に移ることも考慮するよう助言した。  
Posted by komachan at 09:44Comments(0)安全

2011年03月16日

・自衛隊よりも過酷な任務を全うする東電作業員

深刻な事態に陥っている福島原発では、消火のために自衛隊のヘリコプターから散水する非常手段が試行された。

しかし、上空の放射線濃度が規定よりも高いということで、自衛隊機は帰ってしまった。

上空の濃度は伝えられていないが、NHKによると自衛隊員の活動許容濃度は50ミリシーベルトだという。


下記の記事を見て欲しい。

東日本大震災:被ばく線量引き上げ 福島事故対応で

 福島第1原発の事故を受け厚生労働省は15日、同原発で作業にあたる人の被ばく線量の上限について、「100ミリシーベルト」から「250ミリシーベルト」に引き上げることを認めた。官邸から事故対応に必要として要請があり、労働安全衛生法規則の例外として認めた。厚労省によると、国際放射線防護委員会の90年の勧告は「500ミリシーベルトを超えない」と提言しており、これを踏まえた。



民間人である東京電力の作業員は250ミリシーベルトまで危険性を高めて災害への対処に当たらされている。

一方で、高度な危険を任務とする自衛隊員は50ミリシーベルトで撤退する。

この不整合を政府は、しっかりと説明して欲しい。 ⇒ 関連記事 綱渡りの放水作戦 被ばく基準、急きょ変更i


次の記事が、現場の危険な状況を物語っている。

「使命感持って行く」=電力会社社員、福島へ―定年前に自ら志願

時事通信 3月16日(水)

 福島第1原発の事故で、情報提供の遅れなど東京電力の対応に批判が集まる一方、最悪の事態を避けるため、危険を顧みず作業に当たる同社や協力会社の社員もいる。地方の電力会社に勤務する島根県の男性(59)は、定年を半年後に控えながら、志願して応援のため福島へ向かった。
 会社員の娘(27)によると、男性は約40年にわたり原発の運転に従事し、9月に定年退職する予定だった。事故発生を受け、会社が募集した約20人の応援派遣に応じた。
 男性は13日、「今の対応で原発の未来が変わる。使命感を持って行きたい」と家族に告げ、志願したことを明かした。話を聞いた娘は、家ではあまり話さず、頼りなく感じることもある父を誇りに思い、涙が出そうになったという。
 東京電力側の受け入れ体制が整った15日朝、男性は自宅をたった。特別なことにしたくないと考えた娘は見送りはせず、普段通りに出勤した。「最初は行ってほしくなかったが、もし何かあっても、自分で決めたことなら悔いはないと思った」と話し、無事の帰宅を祈る。



最後に、事故現場では想像を超える極限の状態で本当に決死の覚悟で事故対応に当たっている状況が伝えられている。

被曝の恐怖、余震…真っ暗な建屋で決死の作業

読売新聞 3月15日(火)配信

 高濃度の放射性物質の放出が続く福島第一原発。放射能汚染の恐怖と闘いながら、決死の作業が続く。

 15日朝に大きな爆発が起きた2号機。

 東電や協力企業の作業員ら800人が水の注入作業を行っていたが、爆発に伴い、「必要最小限」という50人を残し、750人が一時、現場から離れた。被曝(ひばく)を避けるため、放射線量が高くなると作業を中断しなければならない。15日午前、隣接する3号機付近で観測された400ミリ・シーベルトの環境下で作業できる時間は15分が限度。津波による被害で、停電も続く。

 照明がつかないため真っ暗な建屋内で、作業の効率はあがらない。余震が続く中、津波警報で作業の中断を余儀なくされることもある。400ミリ・シーベルトを記録したのは、作業員が携帯する放射線監視装置だった。

 12日午後、高圧になった1号機の格納容器内の蒸気を逃がすための弁が開放された。格納容器に亀裂が入る最悪の事態はまぬがれた。その弁を開ける作業にあたった男性は、100ミリ・シーベルト以上の放射線を浴び、吐き気やだるさを訴えて病院へ搬送された。

 もともと、この作業では、大量の放射線を浴びる危険があった。このため、1号機の構造に詳しいベテラン社員である当直長が作業を担当。「タイベック」と呼ばれる特殊な全身つなぎ服とマスクを身につけ、手早く弁を開けたが、10分超で一般人が1年に浴びてもいい放射線量の100倍にあたる放射線を浴びた。


テレビでは国の御用学者が、これだけの危機にもかかわらず「健康に影響が無いから安全だ」と言い続けている。

青島刑事の決め台詞ではないが、『事故はテレビ局で起きているんじゃない!現場で起きてるんだ!!』


※自衛隊員を危険にさらせという意味に曲解しないように


**関連記事

放水に放射線の壁 ヘリ投入「命がけ」
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110317k0000m040069000c.html


**本日の発電量 56.2kwh
-第一発電所 23.6kwh
-第二発電所 32.7kwh

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Posted by komachan at 20:26Comments(0)安全

2011年03月16日

・東北大震災や福島原発事故への情報発信

東北を襲った大地震に追い討ちをかける福島原発の事故において、被害に遭われました皆様方に心よりお見舞い申し上げます。

また、被災各地において懸命な救助、復興に携わっている国内外の方々に対して、心からお礼を申し上げるとともに、ご自身の身の安全を十分に図って頂ければと願っております。


私事ですが、海岸線の被災地のすべてを訪れたことがあります。

20年ほど前になりますが、今回の被災地である茨城以北の地をオートバイでツーリングしました。

テントで野営しながら地元の人たちと触れ合いながら、海岸線のすべての市町村を巡りました。

その思い出の地が惨憺たる状況に陥ってしまったことに心を痛めています。


地震の話題を取り上げてから、複数の読者から批判は控えたらどうかというご意見をいただいています。

国民に求められるのは政府を応援することであって、ブログもバックアップをして欲しいというご指摘です。

被災者の皆さんへのご支援はいくらあっても足りないくらいだと思いますし、関係者の苦労は遠くで眺めているものには、ほとんど分からない状況だと思います。


国民の一人一人が「自分の出来ること」を一生懸命やることが災害に遭われている方々への支援には必要だと思います。

自分に出来ることを考えたときに、ブログの特色である情報収集力を生かし、辛口の指摘で問題点の是正を促すことは有効ではないかと考えています。

生活の面では、得意分野のエネルギー削減にさらに努力し、被災地に提供されるエネルギーが増えることを期待して努力しています。


昨日、独立型太陽光発電に新たにインバーターを増設して、中部電力から供給される電力をさらに削減出来るようにしました。

我が家には、電動自転車や電動バイクが備わっているので、電気を利用することでガソリンの消費量を減らし、結果として被災地で不足するガソリンの供給にわずかでも寄与できるようにとの思いです。

一人で出来ることは限られていますが、同様の試みを多くの国民が取り入れれば、かなりの量のエネルギーを被災地に送り届けられるようになります。


電力が不足する東北電力や東京電力へは直接の貢献はできませんが、昨日の静岡東部地震のように発電所の近くで新たな地震が発生して自分の暮らす地域の電力供給に影響が出ることも考えられます。

そのときに中部電力が東京電力に提供している電力が削減されるようなことがあってはならないとの予防の意義もあります。

住宅の断熱性を高め、エネルギーの効率的利用と自給率を高めたことで、我が家では灯油をまったく使用していませんし、電力も月に1千キロワット以上を供給しています。


仕事の都合で被災地にボランティアに出かけるといった直接的な貢献はできないのですが、支援のために被災地に入ったさまざまな方からマスコミとは違った観点からの情報提供が受けられる環境が整いつつあります。

情報にはいろいろな種類があって、国民を過度に刺激しないために厚いオブラートに包まれた政府が発表する情報や、東電や原子力保安員の混乱した情報などのように、知りたいのに伝わらないものが多いような気がします。

被災者が求めている情報には、楽観的に安心を誘う心温まるものがある一方で、リスクを判断するために悲観的に今後の推移を推量するものもあるはずです。


どらかに偏るのではなく、被災者が必要に応じて選択できるようにさまざまな観点から情報の提供がなされるべきだと思います。

ただし、風評被害を誘発するデマはだめです。

情報を発信する側として難しいのは真偽の判断ですが、明らかな間違いや誹謗中傷に陥らないようにできる限り配慮をしていきたいと思います。


駒ヶ根に想うが今回の震災に際して発信する情報は、厳しいものも出てくると思いますが、上記のように被災地への特別の思い入れが根底にあるので、悪意を持って流すものは無いのだということをご理解いただければ幸いです。  
Posted by komachan at 09:49Comments(0)安全